...其真率にして自ら忍ぶ能はざるの血性...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...やや落ち付いてから隠し立てなく真率に葉子に対する自分の憧憬(しょうけい)のほどを打ち明けたので...
有島武郎 「或る女」
...沼南の応対は普通の社交家の上(うわ)ッ滑(すべ)りのした如才なさと違って如何(いか)にも真率に打解けて対手を育服さした...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...真率にして齢を重ねる時...
中原中也 「夭折した富永」
...真率にして富永は齢を重ねていつた...
中原中也 「夭折した富永」
...真率に言ひながしたるがよほど上品に相見え申候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...真率にその苦痛を社会的にも訴えてゆく...
宮本百合子 「新しい船出」
...内奥にある温かさの全幅が実に真率に表現される...
宮本百合子 「熱き茶色」
...お母さんなんかは真率にお現しになるのだけれど...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...(非常に真率に)お前さん...
三好十郎 「疵だらけのお秋(四幕)」
...(真率に)しかし...
三好十郎 「地熱」
...自分だけでは真率に同情しているのである)柴田 いや...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...書法真率にして牽強の痕がない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...それが最も真率にこの国土を愛するの道である...
柳田国男 「雪国の春」
...真率に言うならば以前の方が明らかに美しかった...
柳田国男 「雪国の春」
...栗の木その他の天然の曲線が真率に利用せられ...
柳田国男 「雪国の春」
...この方には割合に矯飾が行われずに真率に女性の感情が出ております...
与謝野晶子 「産屋物語」
...重蔵の前でも真率に繰り返して...
吉川英治 「剣難女難」
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