...必ず真率なる殉道的赤誠の磅薄として懐裡に盈つるものなくンばあらず...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...その平凡な事でも真率な心を以てマジメに考察し研究して見ればそれが動かすべからざる実際の現実である...
田山録弥 「文壇一夕話」
...どんな芸術家でもその人の真率な作品は取も直さず国民性の現われたものである...
津田左右吉 「芸術と国民性」
...真率なる快活なる宗近家の大和尚(だいおしょう)は...
夏目漱石 「虞美人草」
...今の自己を昔に返そうとする真率な又無邪気な一種の努力を認めた...
夏目漱石 「それから」
...貴方は御父さんも馬鹿にしていらっしゃるのね」代助は嫂の態度の真率な所が気に入った...
夏目漱石 「それから」
...これほどまでに真率な久我にたいし...
久生十蘭 「金狼」
...ただ和して真率なる丹心あるのみ...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...野兎の種の特徴としてあるまじきことを宣言し家犬えの非合法な脱獄が野兎からの合法的な脱獄だとしゃれこんだだが野兎は芸術を持っている!月日がたち殺されたゞけの真率な野兎は傷づけられたみづかきをいたわりあいながら昔の家え帰ってきた野兎は小さいいろりの傍で...
槇村浩 「野兎の歌」
...作家たちは、自分たちの生きている意義として、今日、真率な情熱で、自分がかつてとり逃した覚えがあるならば、その人生的モメントをふたたび捉えなおし、抑圧されてきた人民の苦き諸経験の一つとしてしっかり社会の歴史の上につかみ、そのことで生活と文学との一歩前進した再出発を可能としなければならない...
宮本百合子 「歌声よ、おこれ」
...その一心な若い真率な心を...
宮本百合子 「女の行進」
...真率な、さっぱりとした、それでいて、いかにもなよやかな味いです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...やがて自分の顔前一尺くらいのところに突きつけられている木山の真率な眼つきにヒタと吸いよせられて)……あの...
三好十郎 「その人を知らず」
...文章に真率なる処がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...この真率な一目は己に何を想い出させるだろう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...我が真率なる心や色に形(あら)はれたりけん...
森鴎外 「舞姫」
...思わず真率な眼を輝かせて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...真率な深い感情でなくてはならぬ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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