...必ず真率なる殉道的赤誠の磅薄として懐裡に盈つるものなくンばあらず...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...去年の十月にあのスケッチ帳と真率な手紙とを僕に送ってよこしたのだ...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...その平凡な事でも真率な心を以てマジメに考察し研究して見ればそれが動かすべからざる実際の現実である...
田山録弥 「文壇一夕話」
...真率なる快活なる宗近家の大和尚(だいおしょう)は...
夏目漱石 「虞美人草」
...今の自己を昔に返そうとする真率な又無邪気な一種の努力を認めた...
夏目漱石 「それから」
...貴方は御父さんも馬鹿にしていらっしゃるのね」代助は嫂の態度の真率な所が気に入った...
夏目漱石 「それから」
...これほどまでに真率な久我にたいし...
久生十蘭 「金狼」
...ただ和して真率なる丹心あるのみ...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...和して真率なるを称したるものなり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...野兎の種の特徴としてあるまじきことを宣言し家犬えの非合法な脱獄が野兎からの合法的な脱獄だとしゃれこんだだが野兎は芸術を持っている!月日がたち殺されたゞけの真率な野兎は傷づけられたみづかきをいたわりあいながら昔の家え帰ってきた野兎は小さいいろりの傍で...
槇村浩 「野兎の歌」
...その一心な若い真率な心を...
宮本百合子 「女の行進」
...真率な、さっぱりとした、それでいて、いかにもなよやかな味いです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その真率な調子に...
三好十郎 「俳優への手紙」
...それをみな心配げな、真率な、忙しく右左へ動く目でするのである...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...真率な、無邪気な、そして公々然とその愛するところのものを愛し、知行一致の境界に住している人には、(はるか)に劣っている...
森鴎外 「余興」
...若くして真率なる旅人をして...
柳田国男 「雪国の春」
...思わず真率な眼を輝かせて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...真率な深い感情でなくてはならぬ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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