...去年の十月にあのスケッチ帳と真率な手紙とを僕に送ってよこしたのだ...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...余りに真率なひびきなので...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...これを受理せぬという法はない」言々真率なひびきがこもっていたばかりでなく...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その平凡な事でも真率な心を以てマジメに考察し研究して見ればそれが動かすべからざる実際の現実である...
田山録弥 「文壇一夕話」
...貴方は御父さんも馬鹿にしていらっしゃるのね」代助は嫂の態度の真率な所が気に入った...
夏目漱石 「それから」
...されば人間交際の要も和して真率なるにあるのみ...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...ただ和して真率なる丹心あるのみ...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...作家たちは、自分たちの生きている意義として、今日、真率な情熱で、自分がかつてとり逃した覚えがあるならば、その人生的モメントをふたたび捉えなおし、抑圧されてきた人民の苦き諸経験の一つとしてしっかり社会の歴史の上につかみ、そのことで生活と文学との一歩前進した再出発を可能としなければならない...
宮本百合子 「歌声よ、おこれ」
...マルクシスト共産主義者が平和を取りあげるばあいは――たとえ取りあげている当人の主観がどんなに真率なものであるばあいにも――それが真理であるとか正義であるとかの理由よりも...
三好十郎 「清水幾太郎さんへの手紙」
...文章に真率なる処がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...それをみな心配げな、真率な、忙しく右左へ動く目でするのである...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...この真率な一目は己に何を想い出させるだろう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...我が真率なる心や色に形(あら)はれたりけん...
森鴎外 「舞姫」
...真率な、無邪気な、そして公々然とその愛するところのものを愛し、知行一致の境界に住している人には、(はるか)に劣っている...
森鴎外 「余興」
...唯だ真率なる書生風にあらざれば謙抑なる紳士風を見た...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...思わず真率な眼を輝かせて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...彼自身の驚くべき真率な告白に照らして見ても...
米川正夫 「クロイツェル・ソナタ」
...真率な深い感情でなくてはならぬ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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