...これを受理せぬという法はない」言々真率なひびきがこもっていたばかりでなく...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その平凡な事でも真率な心を以てマジメに考察し研究して見ればそれが動かすべからざる実際の現実である...
田山録弥 「文壇一夕話」
...どんな芸術家でもその人の真率な作品は取も直さず国民性の現われたものである...
津田左右吉 「芸術と国民性」
...真率なる快活なる宗近家の大和尚(だいおしょう)は...
夏目漱石 「虞美人草」
...今の自己を昔に返そうとする真率な又無邪気な一種の努力を認めた...
夏目漱石 「それから」
...貴方は御父さんも馬鹿にしていらっしゃるのね」代助は嫂の態度の真率な所が気に入った...
夏目漱石 「それから」
...和して真率なるを称したるものなり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...真率な、さっぱりとした、それでいて、いかにもなよやかな味いです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...マルクシスト共産主義者が平和を取りあげるばあいは――たとえ取りあげている当人の主観がどんなに真率なものであるばあいにも――それが真理であるとか正義であるとかの理由よりも...
三好十郎 「清水幾太郎さんへの手紙」
...やがて自分の顔前一尺くらいのところに突きつけられている木山の真率な眼つきにヒタと吸いよせられて)……あの...
三好十郎 「その人を知らず」
...その真率な調子に...
三好十郎 「俳優への手紙」
...それをみな心配げな、真率な、忙しく右左へ動く目でするのである...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...この真率な一目は己に何を想い出させるだろう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...我が真率なる心や色に形(あら)はれたりけん...
森鴎外 「舞姫」
...真率な、無邪気な、そして公々然とその愛するところのものを愛し、知行一致の境界に住している人には、(はるか)に劣っている...
森鴎外 「余興」
...若くして真率なる旅人をして...
柳田国男 「雪国の春」
...唯だ真率なる書生風にあらざれば謙抑なる紳士風を見た...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...真率な深い感情でなくてはならぬ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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