...気の毒なくらい真率であった...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...掩ふ可からざる真率あり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...真率で実相美があり...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...そう真率性急に万事を疑うには...
夏目漱石 「それから」
...そのありのままを衒わないで真率に書くところを芸術的に見ないで道義的に批判したらやはり正直という言葉を同じ事象に対して用いられるのだからして...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...「行徳の俎というのは何の事ですか」と寒月が真率(しんそつ)に聞く...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...そうした真率さをつくり出すことができたのはただカフカだけである...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...野兎の種の特徴としてあるまじきことを宣言し家犬えの非合法な脱獄が野兎からの合法的な脱獄だとしゃれこんだだが野兎は芸術を持っている!月日がたち殺されたゞけの真率な野兎は傷づけられたみづかきをいたわりあいながら昔の家え帰ってきた野兎は小さいいろりの傍で...
槇村浩 「野兎の歌」
...初三句は極めて拙(つたな)き句なれどもその一直線に言い下して拙きところかえってその真率(しんそつ)偽(いつわ)りなきを示して祈晴(きせい)の歌などには最も適当致居(いたしおり)候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...縁語に巧を弄(ろう)せんよりは真率(しんそつ)に言いながしたるがよほど上品に相(あい)見え申(もうし)候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...あるいは滑稽にあるいは壮大にあるいは真率(しんそつ)にあるいは奇抜にあるいは人事的に十人十色なるを思へば...
正岡子規 「俳諧大要」
...真率にその苦痛を社会的にも訴えてゆく...
宮本百合子 「新しい船出」
...それなりの真率さが流露してきくものの心持では素直にきける...
宮本百合子 「女の歴史」
...本当に真率でいい心持だし面白い...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...真率ですから(今)自分の気持を一つ一つ照らして理解し...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...マルクシスト共産主義者が平和を取りあげるばあいは――たとえ取りあげている当人の主観がどんなに真率なものであるばあいにも――それが真理であるとか正義であるとかの理由よりも...
三好十郎 「清水幾太郎さんへの手紙」
...この判断と真率とこそ若様がお求めになるべき主要な資質であることを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...わたしの真率真実な友人であったという光栄をうけられたい」と...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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