...血の熱(あたた)かい真率(まじめ)な...
石川啄木 「鳥影」
...余りに真率なひびきなので...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...そして真率朴訥(ぼくとつ)という事から出て来る無限の大勢力の前に虚飾や権謀が意気地なく敗亡する事を痛快に感じないではいられない...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...一はあくまで真率(しんそつ)であり...
永井荷風 「向嶋」
...真率なる快活なる宗近家の大和尚(だいおしょう)は...
夏目漱石 「虞美人草」
...そう真率性急に万事を疑うには...
夏目漱石 「それから」
...今の自己を昔に返そうとする真率な又無邪気な一種の努力を認めた...
夏目漱石 「それから」
...真率(しんそつ)な頭脳をただいたずらに混乱させるばかりだから...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...「行徳の俎というのは何の事ですか」と寒月が真率(しんそつ)に聞く...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...彼女は夫のためにはいかにも真率(しんそつ)で...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...そうした真率さをつくり出すことができたのはただカフカだけである...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...真率のうちに存して...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...作家たちは、自分たちの生きている意義として、今日、真率な情熱で、自分がかつてとり逃した覚えがあるならば、その人生的モメントをふたたび捉えなおし、抑圧されてきた人民の苦き諸経験の一つとしてしっかり社会の歴史の上につかみ、そのことで生活と文学との一歩前進した再出発を可能としなければならない...
宮本百合子 「歌声よ、おこれ」
...真率ですから(今)自分の気持を一つ一つ照らして理解し...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...自分だけでは真率に同情しているのである)柴田 いや...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...その言葉に真率さがあった...
室生犀星 「陶古の女人」
...栗の木その他の天然の曲線が真率に利用せられ...
柳田国男 「雪国の春」
...思わず真率な眼を輝かせて...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索