...』と或時信吾は真摯な口振で言つた...
石川啄木 「鳥影」
...却つて、駿河台では野村と同じ室に居て、牛込へは時々遊びに来た渠の従弟といふ青年に心を許して居たが、其青年は、頗る率直な、真摯な、冐険心に富んで、何日でもニコニコ笑つてる男であつたけれど、談一度(ひとたび)野村の事に移ると、急に顔を曇らせて、「従兄には弱つて了ひます...
石川啄木 「病院の窓」
...これもワットのひたすら真摯な努力が実を結んだものに外ならないのです...
石原純 「ジェームズ・ワット」
...いかなる場合にも真摯な研究態度と柔軟にして強靭なる生活意欲(芸術家としての)を失わなかつたから...
伊丹万作 「広告」
...より多く真摯なる注意を払ふことを教へられなかつたなら...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...子供に対して真摯なる責任の感を喚起せざるが故に排斥せられなければならない...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...自由な真摯な意志は...
豊島与志雄 「生活について」
...常に敬虔な真摯な生き方をし得る人...
豊島与志雄 「野に声なし」
...拠り所のない絶望的な真摯な心地になっていた...
豊島与志雄 「反抗」
...名利を度外した真摯な先生の如きでなくては...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...通計十数名の若い研究者の真摯な協力が全期にわたって得られたことも...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...人間(にんげん)は熱誠を以て当(あた)つて然るべき程に、高尚な、真摯な、純粋な、動機や行為を常住に有するものではない...
夏目漱石 「それから」
...彼女は若く真摯な愛情が...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...着実真摯な男女市民の人生は...
宮本百合子 「偽りのない文化を」
...そこに湧くのが当然だろうと思われる新しい成長への希望や期待や欲求の愛らしく真摯なときめきがちっとも感じられないと索然とした思いであった...
宮本百合子 「結婚論の性格」
...又その方向に真摯な努力をつづける偽りない自身の政党を選別するときが来ることを思わずにはいられないのである...
宮本百合子 「現実に立って」
...新しく真摯な仕事ぶりに感服しました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この牧師の異状な迄に真摯な態度がひどく信者達を動かしたのであった...
矢田津世子 「反逆」
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