...もうなんとかお話がついたのだとばかり思ってましたの」と女将は怜(さか)しそうな目に真味な色を見せてこういった...
有島武郎 「或る女」
...深き歴史的背景と人間生活の真味が宿っている事を知るべきである...
淡島寒月 「土俗玩具の話」
...粒々辛苦してはじめて真味がわかるくらいなものだ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ところが今日の政治家も学者もそこまでの真味を知らぬから...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...親たちの真味のことも知らずに了つたに違ひない...
鷹野つぎ 「時」
...さすがに持つて生れた純真味を形なしにしてはしまはなかつた男であつた...
坪内逍遙 「斎藤緑雨と内田不知菴」
...巧拙にかかわらず一人の個人の歌集がおもしろいように個人画家の一代の作品の展覧はいろいろの意味で真味が深い...
寺田寅彦 「昭和二年の二科会と美術院」
...王陽明の『伝習録』その外真味あり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...あるものは人間交渉の際卒然として起る際(きわ)どき真味がなければ文学でないと云う...
夏目漱石 「作物の批評」
...やわらかく握るところに人生の真味ありたびたびいう通り人世は多数の人とともに乗り合う渡船(わたしぶね)のごときものである...
新渡戸稲造 「自警録」
...すなわち自分は引っ込む態度でなるべく人に譲るをもって人生の真味を味わい得るものと思う...
新渡戸稲造 「自警録」
......
二葉亭四迷 「浮雲」
...通常の学生はオースチンの大才の真味を咀嚼することが出来なかったのであって...
穂積陳重 「法窓夜話」
...決して金銭に換えられない家庭料理の真味が分かります」玉江嬢「そういう処が一家の妻君たる人の働きですね...
村井弦斎 「食道楽」
...『特殊の風格を備えたる先生の英文は翻訳をもってしては到底その真味を伝うる能(あた)わざるとともにその本旨にももとるものあるべきをおそれ……』その抄訳(しょうやく)さえも天心全集に収められなかったものを...
村岡博 「茶の本」
...油で揚げて而も油っこくないところに天麩羅の真味がある...
矢田津世子 「茶粥の記」
...「無味即真味」とでもいおうか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...作中の真味を汲んでくれる人に持たれれば...
吉川英治 「宮本武蔵」
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