...」第十三節 コヴェント・ガーデンの朝飯「考えて見ると話すだけの価値は無さそうだが、要するに、ある時コヴェント・ガーデンで朝飯を食っていたらね、僕の真向いに、まるで無言劇の野蛮人が使用する藁の腰巻みたいな、だらりと下った髭を生やした男がいてね、茶托からコーヒーを飲んでいるんだ...
石川欣一 「可愛い山」
...土砂を捲いて真向いから吹きつける...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...よせ! すぐ真向いの飲食店へさっさとはいった...
太宰治 「狂言の神」
...七兵衛の真向いに来て...
中里介山 「大菩薩峠」
...その門の真向いには...
中谷宇吉郎 「御殿の生活」
...真向いにパン屋の店があるのでした...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...上院議員はカルルのために自分の真向いにいい席を探し出した...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...この居間のすぐ真向いに...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...いいことがある」ちょうど真向いが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...真向いの張り出しになったサン・ルームの窓を二十分ほども瞶めていますと...
久生十蘭 「キャラコさん」
...「今日は、いよいよ死ぬ日だ」この部屋の窓からも、真向いに、南画のような松をのせた赤い岩が見える...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...篤介がひょいと活動雑誌から頭を擡(もた)げ何心なく真向いでそうやっている二人を眺めた...
宮本百合子 「明るい海浜」
...あたかもそれがわたしの真向いにあるのと同じように...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...未亡人は私の真向いに来てほの紅い両手の指を揃えた...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...真向いの聖(セント)エリアスの岩山に負けない位のゴツゴツした表情で云った...
夢野久作 「難船小僧」
...吾輩の鼻の頭と真向いになっている事で...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...女中部屋の扉(ドア)の真向いに当る廊下の突当りで...
夢野久作 「二重心臓」
...一言どさりと真向いに坐った...
横光利一 「旅愁」
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