...そしてその真向いに...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「絵のない絵本」
...」第十三節 コヴェント・ガーデンの朝飯「考えて見ると話すだけの価値は無さそうだが、要するに、ある時コヴェント・ガーデンで朝飯を食っていたらね、僕の真向いに、まるで無言劇の野蛮人が使用する藁の腰巻みたいな、だらりと下った髭を生やした男がいてね、茶托からコーヒーを飲んでいるんだ...
石川欣一 「可愛い山」
...掘割を隔てた真向いの丘のかげが濃く沼岸の方へ伸びている...
犬田卯 「米」
...一わたし達の勤めている臨海試験所のちょうど真向いに見える汐巻(しおまき)灯台の灯が...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...元は彼を真向いの椅子に坐らせて...
豊島与志雄 「三つの嘘」
...七兵衛の真向いに来て...
中里介山 「大菩薩峠」
...真向いにパン屋の店があるのでした...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...いいことがある」ちょうど真向いが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「今日は、いよいよ死ぬ日だ」この部屋の窓からも、真向いに、南画のような松をのせた赤い岩が見える...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...雲の懸からぬ山はないはじめに出した「潮来出島の真菰の中であやめ咲くとはしほらしや」の中にある出島(でじま)は直ぐ潮来町の真向いに見える小さい州の島で...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...真向いに建ったコンクリートの塀の内側へのめり込むことだけはやっと数尺の距離でもちこたえているという風な活計であった...
「朝の風」
...真向いの聖(セント)エリアスの岩山に負けない位のゴツゴツした表情で云った...
夢野久作 「難船小僧」
...そのうちに高知市に近付くと眼の前に大きな山が迫って来て高知市はその真向いの山向うに在る...
夢野久作 「近世快人伝」
...私の真向いの椅子にどっかりと反り返りながら……...
夢野久作 「暗黒公使」
...吾輩の鼻の頭と真向いになっている事で...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...一言どさりと真向いに坐った...
横光利一 「旅愁」
...真向いにまろやかに高々と聳えているのは男体山であった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...やがて真向いの校舎の二階から三十歳あまりのしとやかな婦人が私の声を聞きつけたと見えて降りて来た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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