...窓の真向いに聳えるツーグスピッツェからドライ・トア・スピッツェ迄の山容に...
石川欣一 「可愛い山」
...土砂を捲いて真向いから吹きつける...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...よせ! すぐ真向いの飲食店へさっさとはいった...
太宰治 「狂言の神」
...元は彼を真向いの椅子に坐らせて...
豊島与志雄 「三つの嘘」
...七兵衛の真向いに来て...
中里介山 「大菩薩峠」
...その門の真向いには...
中谷宇吉郎 「御殿の生活」
...真向いにパン屋の店があるのでした...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...……真向いの、なだらかな丘の斜面に、バンガロオふうの建物が側面に夕陽を浴びて、一種、寂然(せきぜん)たるようすで立っていた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...「今日は、いよいよ死ぬ日だ」この部屋の窓からも、真向いに、南画のような松をのせた赤い岩が見える...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...あたしは山木の真向いへ坐って...
久生十蘭 「魔都」
...岡田は丁度鉄門の真向いになっている窓を開けて...
森鴎外 「雁」
...あたかもそれがわたしの真向いにあるのと同じように...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...真向いの聖(セント)エリアスの岩山に負けない位のゴツゴツした表情で云った...
夢野久作 「難船小僧」
...吾輩の鼻の頭と真向いになっている事で...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...女中部屋の扉(ドア)の真向いに当る廊下の突当りで...
夢野久作 「二重心臓」
...久慈はその光線の斜角を縮めていくうちに一匹の犬が真向いの建物の下から出て来た...
横光利一 「旅愁」
...真向いにまろやかに高々と聳えているのは男体山であった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...今度は愛鷹の裏山の青々と茂っているのが真向いに見えた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索