...そしてその真向いに...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「絵のない絵本」
...舞台の親王(しんのう)さまみたいに胸を張って私たちの真向いの額縁屋へ消えた――と思ったらすぐ...
谷譲次 「踊る地平線」
...元は彼を真向いの椅子に坐らせて...
豊島与志雄 「三つの嘘」
...商人は婦人と弁護士の真向いに腰を下ろし...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...真向いにパン屋の店があるのでした...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...上院議員はカルルのために自分の真向いにいい席を探し出した...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...なにしろすぐ真向いなんだからこれには恐れます...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……真向いの、なだらかな丘の斜面に、バンガロオふうの建物が側面に夕陽を浴びて、一種、寂然(せきぜん)たるようすで立っていた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...「今日は、いよいよ死ぬ日だ」この部屋の窓からも、真向いに、南画のような松をのせた赤い岩が見える...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...真向いに建ったコンクリートの塀の内側へのめり込むことだけはやっと数尺の距離でもちこたえているという風な活計であった...
「朝の風」
...英語の推理小説を読んでいる女が真向いにいて...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...岡田は丁度鉄門の真向いになっている窓を開けて...
森鴎外 「雁」
...あたかもそれがわたしの真向いにあるのと同じように...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...真向いの聖(セント)エリアスの岩山に負けない位のゴツゴツした表情で云った...
夢野久作 「難船小僧」
...そのうちに高知市に近付くと眼の前に大きな山が迫って来て高知市はその真向いの山向うに在る...
夢野久作 「近世快人伝」
...久慈はその光線の斜角を縮めていくうちに一匹の犬が真向いの建物の下から出て来た...
横光利一 「旅愁」
...料亭“喜文”の裏門の真向いで...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...やがて真向いの校舎の二階から三十歳あまりのしとやかな婦人が私の声を聞きつけたと見えて降りて来た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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