...掘割を隔てた真向いの丘のかげが濃く沼岸の方へ伸びている...
犬田卯 「米」
...一わたし達の勤めている臨海試験所のちょうど真向いに見える汐巻(しおまき)灯台の灯が...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...よせ! すぐ真向いの飲食店へさっさとはいった...
太宰治 「狂言の神」
...扉ののぞき穴から真向いの薄暗い壁の上に投げられるほの白い四角な明るみが...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...その門の真向いには...
中谷宇吉郎 「御殿の生活」
...上院議員はカルルのために自分の真向いにいい席を探し出した...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...この居間のすぐ真向いに...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...なにしろすぐ真向いなんだからこれには恐れます...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...真向いの張り出しになったサン・ルームの窓を二十分ほども瞶めていますと...
久生十蘭 「キャラコさん」
...あたしは山木の真向いへ坐って...
久生十蘭 「魔都」
...ちょうど旅館の真向いにある一軒の家に辿りつくと...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...雲の懸からぬ山はないはじめに出した「潮来出島の真菰の中であやめ咲くとはしほらしや」の中にある出島(でじま)は直ぐ潮来町の真向いに見える小さい州の島で...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...英語の推理小説を読んでいる女が真向いにいて...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...その頃僕は東京大学の鉄門の真向いにあった...
森鴎外 「雁」
...真向いの聖(セント)エリアスの岩山に負けない位のゴツゴツした表情で云った...
夢野久作 「難船小僧」
...吾輩の鼻の頭と真向いになっている事で...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...あたるといい音がするぜ!」見ると宿屋の石の門の真向いには半鐘柱が立っていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...やがて真向いの校舎の二階から三十歳あまりのしとやかな婦人が私の声を聞きつけたと見えて降りて来た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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