...されど作左はまた斯くの如く冷酷に看過する能はずして...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...自分の小さゝと弱さと卑しさとをその儘に看過する惰弱の心を挾んでゐないと云へなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...軽々に看過する勿(なか)れ...
石川啄木 「閑天地」
...たとへ人の偶然事のみとして雲煙看過するの事件も...
石川啄木 「閑天地」
...この二つの思想の系統の間には種々なる程度の思想のあることを看過するわけにはゆかない...
井上哲次郎 「明治哲学界の回顧」
...粗悪な品物をも大目に看過するという弊が起る...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...之を看過すること能わざるなり...
高木敏雄 「比較神話学」
...何人も之を看過する能わざる可し...
高木敏雄 「比較神話学」
...そこが看過することのできない点であります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...他面悲哀厭世の特質を看過するを得べきか...
綱島梁川 「国民性と文学」
...その研究の結果に正当な注意の目を向けることなしに看過する傾向があるかと思われる...
寺田寅彦 「物質群として見た動物群」
...しかし彼は不正を看過することができなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...看過するものの方が馬鹿だ...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...悪事を看過するよりもなほ甚だしからんか...
正岡子規 「病牀譫語」
...けだしそこでは罪悪を笑って看過する者はなく...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...南北言語の一致を看過することになったかも測られぬので...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...彼は清唳なくして之を看過する能はず...
横瀬夜雨 「花守」
...併しまた冷淡に看過することも出来なかつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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