...春が来たからといって、私には間投詞を並べて、可愛い溜息を洩らすほどの若々しさもなく、また、暗い穴の底へ投(ほう)り込まれたような鬱憂もないが、矛盾した自己を、やや離れた態度で、冷かに観照しうるだけの皮肉がある...
種田山頭火 「鎖ペンを握って」
...あらゆる矛盾を蔵してゐる私は...
種田山頭火 「其中日記」
...盾の地板は金なれど...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...前者は論理的――存在的ではない――矛盾として...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...そこにあるのはいつも矛盾だ...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...血液と制度との結合から来る凡ゆる混乱や矛盾は何も東大谷家に限ったことではない...
戸坂潤 「社会時評」
...社会不安や資本主義的矛盾の一反映だというような見解は...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...勿論ジードの見解の狭さを指摘することとは矛盾しない...
戸坂潤 「読書法」
...「盾の仕業(しわざ)だ」と口の内でつぶやく...
夏目漱石 「幻影の盾」
...だからこの二つの主義はいつでも矛盾して...
夏目漱石 「私の個人主義」
...なお真に過去と未来との矛盾的対立というものはない...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...我々は既にかかる自己矛盾的存在であるのである...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...自己矛盾的に現在においてあるものである...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...その矛盾にご注意してあげたことで満足することにしましょう...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...例えば芸術性と社会性の問題の苦悩をトルストイの矛盾に於て描かず馬琴をとらえたか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あんなにたくさんのいろいろに矛盾しあった様相をながめていると...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...理論的な謀略と非科学的なユートピアを基礎とした矛盾と逆説をはらんでいる...
矢部貞治 「政治学入門」
...だれにも矛盾(むじゅん)はある...
吉川英治 「新書太閤記」
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