...盾銀二十は、牧者が上にては得易からぬ寶なれば、この兒を家におきて養ふはいふもさらなり、又心のうちに喜びて迎ふるならん...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...四瘤村長に対する全く矛盾したこの村民の態度――一方においては自分達を喰うところの悪鬼的な存在として憎悪・排撃するかと思うと...
犬田卯 「瘤」
...しかも神を信ずる信仰とわが苦難との矛盾に血涙止めあえざりし人――この種の人が深き同感と少からぬ敬意とを以てこの書に対する時は...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...矛盾したりし始めた...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...原文で読まなければ味がわからぬと言って自身の名訳を誇って売るという矛盾も...
太宰治 「如是我聞」
...そうしてこの矛盾は何とかして融和させねばならぬものではなかろうか...
津田左右吉 「芸術と社会」
...こなた武勇のトロイアのアガストロポス穿ちたる光る胸甲また肩におほひし盾と兜とをヂオメーデース奪ふ時...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...かくてリキエー軍勢はアカイア軍の壘破り、其水陣に進むべき道を開くを得べからず、又槍揮ふアカイアの勢は一たび迫り來しリキエー軍を壘の外追ひ攘ふこと得べからず、 420界を示す石のそば測りの竿を携へて、その共同の地所に立ち、勤め爭ひ狹隘の區域にありて彼と此、おの/\分を獲んとする其樣斯くか、兩軍は壘をおの/\相分ち、其壘の上戰ひて、互の胸に牛皮張る 425盾を、小盾を、圓形の巨大の盾を、打ちつくる...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...二つの事柄は矛盾するではないか...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...凡ての矛盾を心配なしに味はつたり解剖したりして行く人であつた...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...此矛盾の両面を双対(そうたい)に見た時...
夏目漱石 「それから」
...内外矛盾したレアリズムで...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...その矛盾のゴミのなかには...
林芙美子 「浮雲」
...矛盾は露西亞人の特質ぢやないか...
堀辰雄 「小説のことなど」
...この矛盾を歴史的必然性の根源に於て把握することが我々の要求する方法である*...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...支那にも『類函』二二八に、竜を盾に画く、〈また桓元(かんげん)竜頭に角を置く、あるいは曰くこれ亢竜(こうりゅう)角というものなり〉...
南方熊楠 「十二支考」
...いつの間にか矛盾におちいっている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...――以上いずれもモンテーニュの所論、文章に、矛盾、乱雑、曖昧等々があるという世間の非難に自ら答えたのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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