...彼との意見が相前後していて、なかなか決められなかった...
...彼女の話は相前後していて、何が言いたいのかわからなかった...
...この問題について、彼と私の意見は相前後している...
...目標に向けての計画が相前後していると、うまく進まない...
...彼の話は、どうしても相前後してしまって、共感できなかった...
...茲に同一の空間を相前後して經過する二つの矢があつても...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...女性たちも老作家も矢張りそれと感付いたかして相前後してたち上り...
飯田蛇笏 「薄暮の貌」
...両船は相前後して...
海野十三 「火薬船」
...相前後して座敷に現われ...
徳田秋声 「縮図」
...同じやうなる笠(かさ)冠(かむ)りし数人の旅人相前後しつつ茶汲女(ちゃくみおんな)の彳(たたず)みたる水茶屋(みずちゃや)の前を歩み行けり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...明治年間の浮世絵は斯(かく)の如く北斎国芳国貞ら江戸時代の画工につきて親しくその薫陶(くんとう)を受けたる門人の明治に残りしもの相前後して不帰の客となるに従ひ一歩々々滅亡の期を早めたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...山田春塘の著『日本橋浮名歌妓』は明治十六年六月檜物町(ひものちょう)の芸妓叶家歌吉といへるもの中橋の唐物商(とうぶつしょう)吉田屋の養子安兵衛なるものと短刀にて情死せし顛末(てんまつ)を小説体に書きつづりしものにしてこの情死は明治十三年九月新吉原品川楼の娼妓盛糸と内務省の小吏(しょうり)谷豊栄が情死と相前後して久しく世の語り草とはなれるなり...
永井荷風 「桑中喜語」
...クルツクスの輻射物 J・J・トムソンその他の放電攻究 電子の發明などは舊式の説明では齒に懸らず 皆當惑している際 相前後してエツキス線の發見あり また放射性物質の存在を確め 益々迷宮に入らんとする頃開拓された電波通信は 難なくマツクスウエルの電磁論から明瞭なる解釋と指導とを得て 數年間に大なる發展を遂げた...
長岡半太郎 「プランク先生の憶い出」
...こんな面ぶれが相前後して...
中里介山 「大菩薩峠」
...かくて二人は相前後して...
中里介山 「大菩薩峠」
...その時期がたまたま今次の大戦の決定的段階を画したサイパンの陥落と相前後していたために...
中谷宇吉郎 「天地創造の話」
...相前後して現われ...
穂積陳重 「法窓夜話」
...長屋の娘にも相前後して恋人が到来した...
牧野信一 「風媒結婚」
...かの歌笑と相前後して没し...
正岡容 「落語家温泉録」
...二人の醫者の馬乘提燈が相前後して山サのくゞりを出て...
水野仙子 「四十餘日」
...廊下に面した扉(ドア)の間からホソボソと沁(し)み込んで来るうちに…………品夫…………復讐…………という二つの言葉が偶然のように相前後してハッキリと響いて来ると...
夢野久作 「復讐」
...相前後して、たった二日ちがいである...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...その創刊號と相前後して『別離』を同君方から出すことになつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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