...敢てしないのは――最も直截に云へば――自分の趣味である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...一見して最初から大胆直截に描者の最後の目的の色で描き上げた直接描法であるから...
大阪圭吉 「闖入者」
...あのようないくつかの余分な要素を、しかもあれだけ純然たる絵画の形式に纏め上げるだけの意力が、既に死期に臨んだ亜太郎にあったのならば、もっと直截に、文字で例えば「不二が殺した」とか、或は「犯人は不二だ」とか、まだまだいくらでも表わしようはある...
大阪圭吉 「闖入者」
...それを簡明直截に疑はず規定してゐるのは...
太宰治 「津軽」
...と汐田の思ふつぼを直截に言つてやつた...
太宰治 「列車」
...それは空間曲率という数体系からは独立の要素が幾何学に於て欠くことの出来ないものであることを最も直截に物語っている...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...直截に叙述せよと云われる...
豊島与志雄 「作家的思想」
...直截にやっつけよう...
豊島与志雄 「文学精神は言う」
...お前さんに下手人の心當りはないのか」露骨に直截に言ふ平次...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前さんに下手人(げしゅにん)の心当りはないのか」露骨に直截に言う平次...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それを「胡粉の桜」と直截に云つた所がこの歌の持つ新味である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...村松氏は直截に、しかも一種の誇りをさへもつて、芸術、従つてその一部である文学にアプリオリテートを認められ、それを高唱される...
平林初之輔 「文学の本質について(二)」
...僕には紳士が直截に猛烈に癇癪を破裂させたのが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「鉄道事故」
...この点内田魯庵の回想記は正直直截にその心持の印象を述べてある...
水野葉舟 「言文一致」
...この事実を直截に示している...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第九巻)」
...いきなり、直截に、自身の心をむき出して、そんなものはイヤだ、イヤだと絶叫した...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...文章を簡明――直截にしようということをこころみていて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...だがあの顔の相好、人が人間の内面的特質や我々の将来の運命を論証するときに根拠とするいわゆる人相にいたっては、簡単直截に、美醜の章の中に論じ去られるべきものでは確かにない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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