...あのようないくつかの余分な要素を、しかもあれだけ純然たる絵画の形式に纏め上げるだけの意力が、既に死期に臨んだ亜太郎にあったのならば、もっと直截に、文字で例えば「不二が殺した」とか、或は「犯人は不二だ」とか、まだまだいくらでも表わしようはある...
大阪圭吉 「闖入者」
...と汐田の思ふつぼを直截に言つてやつた...
太宰治 「列車」
...君のやうに直截に物の掴める人は眞にうらやましい...
土田杏村 「風は草木にささやいた」
...直観空間の内面を最も直截に指摘したものはロッツェであると思う...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...」河野は直截に答えた...
豊島与志雄 「好意」
...直截に叙述せよと云われる...
豊島与志雄 「作家的思想」
...直截に、簡明に、ぶしつけに、いろんなことを話せないのが、淋しい...
豊島与志雄 「自由人」
...直截にやっつけよう...
豊島与志雄 「文学精神は言う」
...お前さんに下手人の心當りはないのか」露骨に直截に言ふ平次...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前さんに下手人(げしゅにん)の心当りはないのか」露骨に直截に言う平次...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...素朴直截に表出した...
萩原朔太郎 「氷島」
...それを「胡粉の桜」と直截に云つた所がこの歌の持つ新味である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...その方が直截に人の心に響くからである...
堀辰雄 「伊勢物語など」
...僕には紳士が直截に猛烈に癇癪を破裂させたのが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「鉄道事故」
...この点内田魯庵の回想記は正直直截にその心持の印象を述べてある...
水野葉舟 「言文一致」
...この事実を直截に示している...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第九巻)」
...文章を簡明――直截にしようということをこころみていて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...極めて簡明直截に説明してしまわれたのです...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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