...景品はほうきと目笊とせっけんで一組...
芥川龍之介 「水の三日」
...三河島の菜漬を目笊(めざる)で買いに出るにはまだ早い...
泉鏡花 「薄紅梅」
...羽田なら船(ふな)饅頭だッけなア」二そこへ中間(ちゅうげん)の市助が目笊(めざる)の上に芦の青葉を載せて...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...それを目笊(めざる)に入れて...
徳田秋声 「爛」
...近頃(ちかごろ)どうも安(やす)くつてな」商人(あきんど)はいひながら淺(あさ)い目笊(めざる)へ卵(たまご)を入(い)れて萠黄(もえぎ)の紐(ひも)のたどりを持(も)つて秤(はかり)の棹(さを)を目(め)八分(ぶ)にして...
長塚節 「土」
...俺(おら)がな他人(たにん)のがよりや大(え)けえんだかんな」商人(あきんど)は目笊(めざる)の目(め)を掛(か)けて見(み)せて「はて...
長塚節 「土」
...或る者は茶碗や湯呑やその他の日用品を入れた目笊をかかえてぞろぞろ歩いて行くのである...
北條民雄 「癩院記録」
...そこにもここにも目笊(めざる)片手の蜆取りの姿が世にも鮮やかに見えてきた...
正岡容 「小説 圓朝」
...その上へ目笊を伏せて...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...坐ったままじっと目笊を眺め続けている...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...その板の上に伏せてある目笊とが...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...このあいだから目笊(めざる)が一つほしかったのを思いだした...
山本周五郎 「日本婦道記」
...新らしい目笊へ鰍を入れて帰るみちみち...
山本周五郎 「日本婦道記」
...目笊の中の魚を好ましそうにつついてみた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...そしてさも大事そうに両の手に目笊(めざる)を抱えながら彼の側へ馳けて来た...
吉川英治 「私本太平記」
...目笊の目には、青い物の色が、こぼれて見える...
吉川英治 「私本太平記」
...目笊(めざる)の中の野菜の皮を剥(む)いていた...
吉川英治 「旗岡巡査」
...膝の上の目笊(めざる)から里芋(さといも)がころがった...
吉川英治 「旗岡巡査」
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