...空も雪の樣に白み渡つて家並ばかりが黒く目立つ日曜日の午後晩く相島は玄關にあつた足駄をつツかけて二町計りの所に郵便を入れに行つた...
有島武郎 「半日」
...『大分世帯に染(しゆ)んでるらしい目立つ鹿の子の油垢』調子は例によつてうき/\として居るが...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...頬の肉はゑぐり取つたやうに落ちて頭と眼が目立つて大きく見える...
高濱虚子 「俳諧師」
...夕闇の中にわれながら恐しく白く目立つような気がして...
太宰治 「座興に非ず」
...あまりに意志の目立つ都は情操の自らなる発露を妨げて...
辰野隆 「パリの散策」
...中にはほとんど目立つほどの枝切れはつけないで...
寺田寅彦 「簔虫と蜘蛛」
...放射性元素の研究では吉村恂氏などが目立つ...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
......
永井荷風 「自選 荷風百句」
...特に刀の長いのが目立つのでもあろうが...
中里介山 「大菩薩峠」
...まぶちの赤いのが目立つてゐた...
長谷川時雨 「傘」
...もとより目立つ役を振られる身分ではなかったが...
長谷川伸 「幽霊を見る人を見る」
...中に目立つのはやはり出雲で...
原勝郎 「鎌倉時代の布教と當時の交通」
...すぐ目立つように例の毛皮ずくめの貴婦人の写真がかかっているのを見た...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...私のうちにいままでよりもずつとはつきり目立つて來てゐる孤獨への傾向を...
堀辰雄 「一插話」
...そんな鼠色のなかに一きは目立つ鼠色で...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「「マルテ・ロオリッツ・ブリッゲの手記」から」
...何を? 今年の春から夏へかけても君は相当に目立つた経験をしてゐるのぢやないか...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...この二つの目立つ傾向は...
宮本百合子 「「ゴーリキイ伝」の遅延について」
...松の巨木に囲まれた万延寺裏手の墓地外れに一際目立つ「蔵元家(や)先祖代々之墓」と彫った巨石(おおいし)が立っているのが...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
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