...空も雪の樣に白み渡つて家並ばかりが黒く目立つ日曜日の午後晩く相島は玄關にあつた足駄をつツかけて二町計りの所に郵便を入れに行つた...
有島武郎 「半日」
...純白の羽織の紐が目立つ...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...白い上着の袖口を赤いリボンを裂(ちぎ)つたやうなもので結んでゐるのが目立つてゐた...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...これといふ目立つた悪業のなかつたお方でしたのに...
太宰治 「右大臣実朝」
...あまりに意志の目立つ都は情操の自らなる発露を妨げて...
辰野隆 「パリの散策」
...およそ日焼けした小さな裸体の群の中でも房一の身体がよく目立つた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...患者の事故的な出来事または精神的た変化は、この点において意味があると見做され、例えば、妄想、意識混濁、不眠、または熟睡、麻酔または突然の麻痺、突然の体温低下、発汗、静脈が目立つ、呼吸困難、運動困難、舌の乾燥、など...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...まず実証的研究の分野での仕事が目立つ...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...一つ一つの言葉のあいだに長い間(ま)をはさむことによっていっさいの目立つ点を取り除こうと努めた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...あまり目立つようなことは...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ひどく目立つことや...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...目立つたところを繰り返して見れば好い...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...目立つほど老けだした私の様子を...
堀辰雄 「菜穂子」
...絵画の前にいるあの目立つ集団に舞い戻ってきた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...目立つチョッキ姿の巨漢...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...そこほど俗悪さの目立つ国もまた少い...
柳宗悦 「民藝四十年」
...目立つ方の秀鶴頭巾(しゅうかくずきん)は...
吉川英治 「江戸三国志」
...かえって人目立つ心地がする...
吉川英治 「新書太閤記」
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