...何處といふ目的もなく街から街へり歩いて居た...
石川啄木 「病院の窓」
...ただ何となく目的もなく果て知らぬ密林に歩をすすめているに過ぎなかった...
梅崎春生 「日の果て」
...何と云(い)う目的もなく...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...何の目的もなく野に山に海浜に彷徨(ほうこう)するのが好きだという事である...
寺田寅彦 「アインシュタイン」
...目的もなく体を動かすのは力の浪費であるとし...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「土色の顔」
...彼はなんという目的もなく...
徳田秋声 「縮図」
...一般にそれらの青年は、閑(ひま)な連中で、意志もなく、目的もなく、存在の理由をも有せず、勉強の机を恐れ、自分一人になるのを恐れ、肱掛椅子(ひじかけいす)にいつまでもすわり込み、自分の家に帰って自分自身と差し向かいになることを避けるためには、あらゆる口実を設けながら、珈琲店や芝居をうろつき回っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...広い座敷を右左に目的もなく往ったり来たりした...
夏目漱石 「行人」
...明日からは何の目的もなく...
林芙美子 「雨」
...目的もなくさすらつてゐるやうな荒凉としたおもむきが...
林芙美子 「浮雲」
...その後さしたる目的もなく上京して...
久生十蘭 「魔都」
...明らかに目的もなく途方(とはう)に暮れて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...かれ自身何の目的もなく...
室生犀星 「幻影の都市」
...かくべつ目的もなくあるいていた...
山本周五郎 「さぶ」
...何の目的もなく海外を渡るものは...
横光利一 「欧洲紀行」
...そこで、何の目的もなく、いったん手に丸めた帯を木の根において、そのままそこを立ち去ろうとしましたが、またふと、何か去りがてな魅力があって、帯が自分を呼び止める気がする...
吉川英治 「江戸三国志」
...自分が目的もなく...
吉川英治 「折々の記」
...するとつまり彼を殺害するために、婚儀を行うわけですな」「もちろん、その目的もなく、何でこんな縁談が云い出せるものか」「それにしても、それがしから呉侯へおすすめ申すのは、どうも少しまずいと思いますが」「よろしい...
吉川英治 「三国志」
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