...甲羅(かふら)だけでも盥(たらひ)ほどあるすつぽんだつたなどと話してゐた...
芥川龍之介 「本所両国」
...とうとう盥に蹴躓(けつまず)いて盥のお湯を土間いちめんにおびただしくぶちまけ母者人に叱られた...
太宰治 「ロマネスク」
...盥船(たらいぶね)に乗って流れて行くのもある...
寺田寅彦 「花物語」
...瀬戸引(せとびき)の金盥(かなだらい)の中に...
夏目漱石 「思い出す事など」
...井戸流(ゐどながし)の傍(そば)に置(お)いた盥(たらひ)の傍迄(そばまで)行(い)つて話(はなし)をした序(ついで)に...
夏目漱石 「門」
...盥は少しづつ、池の中心にむかつてすゝみはじめました...
新美南吉 「疣」
...盥(たらひ)だの桶(をけ)だのいふものがないので...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...より強い陣痛が始まると女性は半分2つ折れの姿勢をとって木の盥を下に置いて子供を受け止める...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...「井戸端の盥の中に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...盥(たらひ)の前にキチンと坐つて居る...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...腰の丸味は盥(たらい)にしてしまった...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...今加減を見てやるとて流しもとに盥(たらい)を据へて釜(かま)の湯を汲出(くみいだ)し...
樋口一葉 「にごりえ」
...耳盥に水を汲ませて頭熱(ずねつ)の引下げにかかったところ...
久生十蘭 「玉取物語」
...占領地の海軍病院を次々に盥(たらい)まわしにしていましたが...
久生十蘭 「ノア」
...金五郎は、二本の日本刀を、交互に、盥の中で、ころがしながら、ときどき、水からあげる...
火野葦平 「花と龍」
...さうしてその一つを著替へさせて、大盥二つ、手桶、穿物、大鍋一つ、剃刀、櫛、油、元結といふやうなものまで、悉く新しいのを用意する...
三田村鳶魚 「物貰ひの話」
...女中を呼んで上り口へ手水盥(ちょうずだらい)を持って来させた...
森鴎外 「雁」
...日光の射した石鹸の泡立つ盥の中の手の赤味が健康な感じがした...
横光利一 「旅愁」
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