...其処へ婢(をんな)が浅い盥(たらひ)に...
芥川龍之介 「槍ヶ嶽紀行」
...一つ大盥(おほだらひ)で顏(かほ)を洗(あら)ひ...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...石鹸や金盥を買っても配達をする...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...妊娠四箇月の細君の体はその金盥の上に横倒れになった...
田中貢太郎 「一握の髪の毛」
...手水盥のところに行つて物をもどした...
田山花袋 「道綱の母」
...床几(しょうぎ)に憩(いこ)ふ人々面白げに大道(だいどう)芸人が子供集めて長き竹竿(たけざお)の先に盥(たらい)廻しゐるさまを打眺めたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...医者は宵子を盥(たらい)から出した...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...金盥は四つが四つともいっぱいになっているばかりか...
夏目漱石 「明暗」
...ふと見ると蛤がひとつ水盥からはね出している...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...それから水差の水を金盥にとって手を洗い金をさがして発見する...
久生十蘭 「金狼」
...毎暁寅の時に盥漱して端坐し...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...牛が遁(に)げた時のまじないに盥(たらい)に伏せたりする...
柳田国男 「年中行事覚書」
...二おつねは長火鉢にかけてある真鍮(しんちゅう)の鬢盥(びんだらい)の中から...
山本周五郎 「ひとでなし」
...研ぎ台も水盥(みずたらい)もちゃんと揃(そろ)えてあった...
山本周五郎 「柳橋物語」
...父は手ずから金盥(かなだらい)に水を入れて二階の板縁に持出し...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...妻は小さな金盥を持つて彼の傍へ來た...
横光利一 「悲しみの代價」
...裏口へ廻って湯玉のたぎるような熱湯をたたえた洗足盥(だらい)を抱えてきた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...塗りの水盥(みずだらい)をそろえる...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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