...春の卯月(うつき)の贈物、われはや、既に盡し果て、秋のみのりのえびかづら葡萄も摘まず、新麥(にひむぎ)の豐(とよ)の足穗(たりほ)も、他(あだ)し人(ひと)、刈(か)り干しにけむ、いつの間(ま)に...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...起つて劍を執つて幕府に盡し...
大町桂月 「千川の櫻」
...兄のルドウィヒはロシヤの爲めにバクの石油を配布するに盡瘁したが...
長岡半太郎 「ノーベル小傳とノーベル賞」
...其盡くる所一屋あり...
長塚節 「草津行」
...近頃は利助に愛想を盡かして居た笹野新三郎も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...壽命が盡きなかつたものか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...踊りと歌が船の中を領し盡して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...江戸の賑ひを集め盡したやうな淺草の雜沓(ざつたふ)は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...かなり贅を盡したと言つても...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...六廊下の盡きたところ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...命を燃やし盡して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何處やら物悲しく感傷的にさへさせた花火――花火がすんだ暗い川を、遠くに流(なが)れてゆく三味線の音をきき、船の櫓のきしみを耳にしながら、話も盡きて、無言で漕がれてゆくのはさびしかつた...
長谷川時雨 「花火と大川端」
...それの時間的性格が現在に盡きる如く...
波多野精一 「時と永遠」
...一生を不運の内に終りたらば我が本分は盡きまするやら...
一葉 「暗夜」
...寢臺(ベッド)をなめ盡さうとしてゐた火を消し止めることに成功したのであつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...現代出現の最惡の兇器を各國が共同して誠意を以つて盡未來際まで封じ込めたとしても...
正宗白鳥 「今日は無事」
...ニイチェが、「現存在はただ一の間斷なき既存在である、自己自身を否定し、食ひ盡し、自己自身に矛盾することによつて生きる物である...
三木清 「歴史哲學」
...お互の長い間に生じた疑ひを盡く消して了ふのだ...
横光利一 「書翰」
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