...盥の水を以前(もと)の如く清く盈々(なみなみ)として置いて...
石川啄木 「葬列」
...鹽盈つ珠を出して溺らし...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...盈尺の地を守つて寂然として聲なし...
高山樗牛 「人生終に奈何」
...月の盈虚(えいきょ)...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...清水を盈(み)たした湯呑なぞならべてあった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...忽チ見ル一楼上人影紙障ニ満チ履靴戸内ニ盈ツルヲ...
成島柳北 「他山の石」
...アスヴィナウの馬は蹄下より酒を出して百壺を盈(みて)る由...
南方熊楠 「十二支考」
...安政元年十一月五日の南海道大地震の時わが国で始めて余震観測をした土佐藩士細川盈進(えいしん)は...
武者金吉 「地震なまず」
...「金玉難常保満盈...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...秋冷盈至之処、益御清穆起居奉賀候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...筵間金尊盈...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...榛軒は頗る昌盈を優待した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...昌盈は後津軽家の表医師となつて禄三十人扶持を食(は)んだ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...月の盈(み)ち欠(か)けを目標とした太陰暦の時代には...
柳田国男 「年中行事覚書」
...瓢兮(や)瓢兮吾れ汝を愛す汝能(よ)く酒を愛して天に愧(は)ぢず消息盈虚(えいきょ)時と与(とも)に移る酒ある時跪座(きざ)し酒なき時顛(ころ)ぶ汝の跪座する時吾れ未だ酔はず汝まさに顛ばんとする時吾れ眠らんと欲す 一酔一眠吾が事足る世上の窮通何処(いづく)の辺「世上の窮通何処の辺」そっと口のなかで返唱したかれは...
山本周五郎 「新潮記」
...おゆるし下しおかれますように」勝家は感動に盈(み)ちた気色をうごかして...
吉川英治 「新書太閤記」
...――このたのしい平和に盈(み)ちた地上のどこにそんなあぶないことが起っているのかと...
吉川英治 「新・水滸伝」
...若い血色に盈(み)ちていたし...
吉川英治 「親鸞」
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