...入道さまの皺苦茶の赤いお顔に奇妙な笑ひがちらと浮んだやうに私には思はれたのですが...
太宰治 「右大臣実朝」
...その代りもっと皺苦茶(しわくちゃ)だ」「要するに僕と伯仲(はくちゅう)の間か」「要するに君と伯仲の間だ」「そうかなあ...
夏目漱石 「野分」
...清は皺苦茶(しわくちゃ)だらけの婆さんだが...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...――甘木さんへ行って聞いて見ろ――元来御前がこんな皺苦茶(しわくちゃ)な黒木綿(くろもめん)の羽織や...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...この皺苦茶(しわくちゃ)の扮装(なり)のままで...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...皺苦茶苦茶で人間だか猿だか分りゃあしない...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...後で或る人があの日どうしてあんなに皺苦茶(しわくちゃ)に昂奮していたんだと言ったから...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...皺苦茶の腹から下をさするということに私は誰がこれを敢てしてくれる人があるか...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...それにつれて本箱の抽斗(ひきだ)しに突込んだままになっていた皺苦茶の紙幣や銀貨の棒がズンズンと減って行った...
夢野久作 「鉄鎚」
...おまけに皺苦茶の婆さんだからたまらない...
夢野久作 「近世快人伝」
...この世に生き返ったらドウすればええのじゃ」度を失った医者はポケットから昨日の皺苦茶の一円札を出して三拝九拝した...
夢野久作 「近世快人伝」
...皺苦茶(しわくちゃ)な紙でも...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...皺苦茶(しわくちゃ)に寄せて見せる...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ただ皺苦茶(しわくちゃ)になった破れた紙片(かみきれ)をボートルレに渡した...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
...ふと書斎の卓子(テーブル)の下の屑籠の傍へ投げ出されあった皺苦茶の手紙の片端を見ましたので...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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