...けれどそれは少くとも重右衛門のやうな性格と重右衛門のやうな先天的不備なところがある人間には間違つた皮相な観察であつた...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...大正二年の秋の逃避旅行の極めて皮相な叙述です...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...――こういう単純で皮相な推理は全く愚である...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...其の他の極めて皮相な現象だけを見ても...
戸坂潤 「近衛内閣の常識性」
...処がこの自由主義者の道徳意識の皮相なことは...
戸坂潤 「思想としての文学」
...日常生活の皮相な現象で...
戸坂潤 「思想としての文学」
...つまり皮相な関心が引き潮になった代りに...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...こういう皮相な行きあたりばったりの表面現象ではなく...
戸坂潤 「友情に関係あるエッセイ」
...ナタン夫妻が示してくれる同情はいかに皮相なものであったにせよ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自分の全部を挙げて愛する仕方と自分の皮相な部分のわずかだけをささげて愛する仕方とだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その皮相な興奮を打挫き...
豊島与志雄 「野に声なし」
...皮相な一面観にしかすぎないのである...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...皮相な概念でまごついている時...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...皮相な謬見(びゅうけん)にすぎないことは明らかである...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...皮相なる翻訳詩の西洋模倣によつて光輝を汚されて居た...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...ごく皮相な、当面の不便或はよくわからない迷惑感というものも作用し得るのですから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ホラティウスは皮相な表現では決して満足しない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...信長は降(くだ)って参りましょう」などと皮相な見解をのべる者もあったが...
吉川英治 「新書太閤記」
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