...ついに我々をして九皐(きゅうこう)の天に飛翔(ひしょう)することを許さなかったのである...
石川啄木 「時代閉塞の現状」
...其処に皐月さんの考へと私の考への相異があるのですわね...
伊藤野枝 「私信」
...その池の縁(へり)にも紅紫(こうし)とりどりの躑躅や皐月の花があった...
田中貢太郎 「藤の瓔珞」
...富永の弟に荒木蘭皐といふ人がありまして...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...多分仲基の弟荒木蘭皐が書いたのでありませう...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...明らかに皐陶謨から取つたものであるが...
内藤湖南 「爾雅の新研究」
...皐陶の如く刑罰を掌つた者が重んぜらるゝのは――甫刑で伯夷の如く刑罰を掌つた者を重んずるも同樣であるが――法家名家の起つて以後の晩周の思想たることが知られるのである...
内藤湖南 「尚書稽疑」
...中にも尚書の益稷篇――今文尚書で言へば皐陶謨の一部であるが――に所謂虞の十二章と謂ふものが見えて居る...
内藤湖南 「染織に關する文獻の研究」
...冬の夜には月中落葉を踏んで将に臨皐(りんこう)に帰らんとするの坡公(はこう)を思う事あり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...淋(さび)しき皐(おか)の上に立つ...
夏目漱石 「薤露行」
...十二橋ほんに潮来(いたこ)へおいでなら佐原来栖(いけす)にお茶屋がござらう姉さめしませうのう姉さ花のかむろが後朝(きぬぎぬ)の雨は涙で降るぞへのう一夜(ひとよ)かりねの手枕に旅の妻(おかた)と唄はれて明日は恥(はづか)し のう姉さ皐月(さつき)照れ照れ菖蒲(あやめ)も植ゑよお女郎(じよろ)見ましよか十六島は雨の降るのに花が咲く...
野口雨情 「別後」
...木の下に白髪垂れたる後ろ手の母を見るなり山ほととぎす皐月が咲き蜜柑の花が咲くやうになると人里近くにも山ほととぎすが出て来てしきりに啼く...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...ああ皐月仏蘭西の野は火の色す君も雛罌粟我も雛罌粟作者夫妻の巴里に遊んだのは欧洲大戦以前の爛熟時代で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...今日にして浅草宮戸座は、黙阿弥、三世如皐、其水、新七らが特定狂言の研究室であつた、図書館であつた、宝庫であつたとも亦云へよう...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...例へば五月雨を詠ずるに雲濡れて温泉(ゆ)を吐く川や皐月雨(さつきあめ)春来山陰(やまかげ)に湖暗し五月雨(さつきあめ)吟江と大きく深くのみものせず...
正岡子規 「俳諧大要」
...権は忌み皐は庸にして皆遁走し...
南方熊楠 「十二支考」
...林家の文集に東皐元泰(とうかうげんたい)...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...文の端に皐月(さつき)なかばの晴れた日に...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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