...それとても行くとも皈るともなく然として獨り佇むばかりで...
泉鏡花 「遺稿」
...どころでない、宿へ皈ると、晩餉の卓子臺もやひ、一銚子の相伴、二つ三つで、赤くなつて、あゝ紅木瓜になつた、と頬邊を壓へながら、山鳥の旦那樣はいゝ男か知ら...
泉鏡花 「遺稿」
...皈り途の按摩さんには下口になる...
泉鏡花 「遺稿」
...繁花(はんくわ)の江戸に奉公する事年(とし)ありて後(のち)雪国の故郷(ふるさと)に皈(かへ)る者...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...今にもその人とおなじくあるじの皈(かへ)りたまはんもはかりがたし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...やがて娘の母皈(かへ)り来りおはたやに娘のをらぬを見ていぶかり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...持皈(もちかへ)りて主(ぬし)を尋(たづね)ばやと鐺(かま)を手(て)にさげて二町ばかりあゆみしにしきりに重(おも)くなり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...志願(しぐわん)の所にまうでたる皈(かへ)るさなど...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...弘法(ぐほふ)廿五年御歳六十の時洛(みやこ)に皈(かへり)玉へり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...親も皈(かへ)りて住(すみ)けり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...かくてはからず時をうつし日も暮(くれ)かゝる皈(かへ)りみち...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...皈つたらば此處へ來い...
樋口一葉 「にごりえ」
...皈(かへ)つたらば此處(こゝ)へ來(こ)い...
樋口一葉 「にごりえ」
...皈(かへ)りの遅きを母の親案じて尋ねに来てくれたをば時機(しほ)に家へは戻つたれど...
樋口一葉 「にごりえ」
...七月上旬皈帆の節獵舟獵具等を小屋に納め置...
松浦武四郎 「他計甚※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2-94-57](竹島)雜誌」
...岡村の家へは頓着なしに是が非でも皈ろうと意気まく良人をなだめて父の許へ無心のたよりをやりましたところ...
矢田津世子 「旅役者の妻より」
...「皈ってもよろしい」と云った...
矢田津世子 「父」
...皈ってやるものか...
矢田津世子 「父」
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