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饗庭篁村 「木曾道中記」
...皆々気味悪しく思ひし由に御座候...
芥川龍之介 「尾形了斎覚え書」
...(皆々話しながら廊下へ出て行く...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...第十五階選士の皆々さま...
佐野昌一 「虫喰い算大会」
...椴子のまわしを締め込んで、土俵に躍り上って、さあ来い、と両手をひろげて立ちはだかれば、皆々、才兵衛の幼少の頃からの馬鹿力(ばかぢから)を知っているので、にわかに興覚めて、そそくさと着物を着て帰り仕度をする者もあり、若旦那(わかだんな)、およしなさい、へへ、ご身分にかかわりますよ、とお世辞だか忠告だか非難だか、わけのわからぬ事を人の陰に顔をかくして小声で言う者もあり、その中に、上方からくだって来た鰐口(わにぐち)という本職の角力、上方では弱くて出世もできなかったが田舎へ来ればやはり永年たたき込んだ四十八手がものを言い在郷(ざいごう)の若い衆の糞力(くそぢから)を軽くあしらっている男、では一番、と平気で土俵にあがって、おのれと血相変えて飛び込んで来る才兵衛の足を払って、苦もなく捻(ね)じ伏せた...
太宰治 「新釈諸国噺」
...皆々驚く中(うち)にも安堵(あんど)の体(てい)にて一人の男の背に娘御をかつぎ載せ...
永井荷風 「榎物語」
...「いけねえやい」十二三の悪太郎が、無惨(むざん)にも、そのお河童さんを一喝(いっかつ)して、「いけねえよ……おめえのお強飯(こわ)は食べ残しなんだろう、自分の食べ残しを、人に食べさせるなんてことがあるかい、人にあげるには、ちゃんとお初穂(はつほ)をあげるもんだよ、お初穂を――食べ残しを与八さんに食べさせようなんたって、そうはいかねえ……」悪太郎から一喝を食って、無惨にもお河童さんは泣き出しそうになると、同じ年頃の善太郎が、それをかばって言うことには、「いいんだよ、与八さんは、残り物でもなんでも悪い顔しないで食べるよ」そこで与八の顔を見上げて、「ねえ、与八さん、残り物でもなんでもいいんだね、志だからね、与八さんに志を食べてもらうんだから、残り物でもなんでもかまわないよ、ねえ、与八さん」ませたことを言い出すと、悪太郎が引取って、「こころざしって何だい、こころざしなんて食べられるかい、へへんだ、こころざしより団子の串ざしの方が、よっぽどうめえや、ねえ、与八さん」しかし、それからまもなく与八は、お初穂であろうとも、残り物であろうとも、かまわずに取って食べてしまったから、この議論はおのずから消滅して、皆々、一心になって、与八の口許(くちもと)をながめているばかりであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...皆々あまり善良すぎる人達故に...
林芙美子 「新版 放浪記」
...皆々よく判っているけれども...
林芙美子 「生活」
...その頃には皆々うち寄つて笑ひたきもの...
樋口一葉 「大つごもり」
...皆々元気なので嬉しく...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...暗鬱な森を息を殺してここに至った時には思わずほっとして皆々手を執り合って顔を見合わせたことを覚えている...
牧野信一 「ゼーロン」
...楽手は皆々遠慮深く息を殺して...
牧野信一 「円卓子での話」
...皆々笑ふ...
子規 「闇汁圖解」
...その処の時の食物を食い猫を鼠皆々食い殺す(『甲斐国妙法寺記』)...
南方熊楠 「十二支考」
...這(こ)は如何にとて皆々走(は)せまどひ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...神様からも人間からも救われ得ぬ哀しき二人よりお父様お母様皆々様◇第二の瓶の内容ああ...
夢野久作 「瓶詰地獄」
...弟達は皆々剛健朴茂の好少年...
横瀬夜雨 「花守」
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