...庭の片隅で白萩がこぼれてゐる...
薄田泣菫 「独楽園」
...いつの間に壁にかかりし帚草(ははきぐさ)取りもせぬ糸瓜(へちま)垂らして書屋(しょおく)かな白萩の殊(こと)に汚(きた)なくなりやすく九月二十三日 丸ノ内倶楽部俳句会...
高浜虚子 「六百句」
...一叢(ひとむら)の白萩(しらはぎ)がしなだれている外には...
谷崎潤一郎 「細雪」
...社務所の白萩はうつくしくてふさはしい...
種田山頭火 「行乞記」
...早くも盛りを過(すご)した白萩(しらはぎ)は泣き伏す女の乱れた髪のように四阿屋の敷瓦(しきがわら)の上に流るる如く倒れている...
永井荷風 「監獄署の裏」
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長塚節 「長塚節歌集 上」
...泉布觀後庭あふちの枝も動かず暑き日の庭にこぼるゝ白萩の花油蝉しきなく庭のあをしばに散りこぼれたる白萩の花二十八日...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...途に遙に小爆布をのぞむ多度山の櫟がしたに刈る草の秣が瀧はよらで過ぎゆく養老公園落葉せるさくらがもとの青芝に一むら淋し白萩の花養老の瀧白栲の瀧浴衣掛けて干す樹々の櫻は紅葉散るかも瀧の邊の槭(もみぢ)の青葉ぬれ青葉しぶきをいたみ散りにけるかも十七日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...嵯峨に遊びて福田静處先生を訪ふ一むらは乏しき花の白萩に柿の梢の赤き此庵導かれて近傍の名所を探る...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...吉良の庭はもう自慢の白萩もさかりが過ぎ...
山本周五郎 「つばくろ」
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