...この一家の主人にして妄(みだり)に発狂する権利ありや否や? 吾人はかかる疑問の前に断乎(だんこ)として否と答うるものなり...
芥川龍之介 「馬の脚」
...試みに天下の夫にして発狂する権利を得たりとせよ...
芥川龍之介 「馬の脚」
...ひと月とたたないうちに不幸なる尊長中村武羅夫(なかむらむらを)の発狂することも亦(また)明らかである...
芥川龍之介 「解嘲」
...乃公は発狂するかもしれない...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...その人間は発狂するだろう...
太宰治 「春の枯葉」
...しかしこれが続いたら僕は発狂するというのです! 僕はそれが恐ろしいから……自分でわかりながら気が狂ってゆくのが怖いから...
橘外男 「逗子物語」
...ほんとうに発狂する者さえもある...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...むしろ発狂するほうが勝ちである(もっとも...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...兵隊たちは飢餓のために発狂する者まで出て来た...
豊島与志雄 「花ふぶき」
...発狂する危険からわずかにわれわれを守ってくれる...
久生十蘭 「フランス伯N・B」
...母馬これを嗅げば発狂するという...
南方熊楠 「十二支考」
...そして発狂するか...
森鴎外 「余興」
...バックは犬の発狂するのを見たことがなかつたし...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...お前が完全に発狂すると同時に俺の研究も完成するのだ...
夢野久作 「怪夢」
...男一匹が発狂するまで飜弄されるような事が...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...発狂するほど深刻な程度にまでドウして読みこなし得たか……という事から疑ってかからねばならぬ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...……正木博士が見たら発狂するか……本当に自殺するかも知れぬ……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...其度(そのたび)に気が附いて自分は次第に発狂するのでは無いかと思ふと怖(おそ)ろしさに身を慄(ふる)はさずには居られない...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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