...腐敗したものが発散する悪気がむうッとあがって来て...
モオパッサン 秋田滋訳 「墓」
...なお成層圏の上の方には地上から発散する水素が充満している...
石原莞爾 「最終戦争論」
...その上衣から発散することが判ってきた...
海野十三 「西湖の屍人」
...その世界から発散する臭気に窒息しかけたのである...
太宰治 「断崖の錯覚」
...それはかれの作物から発散するがそれを証拠立ててゐる...
田山録弥 「西鶴小論」
...吏道とは単なる官吏服務規律遵守からそれ以上のものとして発散する...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...凶霊が発散することが出来ぬと云う信仰から来たのである...
中山太郎 「屍体と民俗」
...その五体から発散するのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...手は人間の魂のエーテルを発散するところだから...
林芙美子 「浮雲」
...その匂いを発散する物の形を想像することが出来るのだろうか...
アンブローズ・ビヤース Ambrose Bierce 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...酒気と濡れた羅紗(らしゃ)から発散する鋭い臭(にお)いとが交り合って...
久生十蘭 「キャラコさん」
...彼等の発散する香りの方を最初に知ってしまったのだ...
堀辰雄 「美しい村」
...怠惰のもつ魅力が発散するかと思われた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
......
宮本百合子 「片すみにかがむ死の影」
...或る鬱積したものが発散する清々しさを感じた...
室生犀星 「みずうみ」
...前者においてはその掘割から・後者においてはそのぬかるみから・発散する饐(す)えたにおいによって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...実さんの舞台表現となって発散するのだ...
夢野久作 「実さんの精神分析」
...絖(ぬめ)やかな凝脂(ぎょうし)は常にねっとりとその白い肌目(きめ)からも毛穴からも男をそそる美味のような女香(にょこう)をたえず発散する...
吉川英治 「新・水滸伝」
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