...新体詩は短歌や発句(ほつく)よりもかう云ふ点では自由である...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...古い川柳の発句(ほつく)に近いことは或は誰も知つてゐるかも知れない...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...十七音以外のものを発句と呼ぶのは...
芥川龍之介 「発句私見」
...現に短歌は発句のやうに季題などに手(た)よつてゐない...
芥川龍之介 「発句私見」
...殊に江戸文化の爛熟した幕末の富有の町家は大抵文雅風流を衒(てら)って下手(へた)な発句の一つも捻(ひね)くり拙(まず)い画の一枚も描けば直ぐ得意になって本職を気取るものもあった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...そののち近所の友人のうちで私が歌を作ろうというと友人は発句を作ろうと主張しました...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...発句と脇句とはそういう挨拶の意味から成り立っておる...
高浜虚子 「俳句への道」
...子規が専(もっぱ)ら俳句といったのでこの頃ではもはや発句という人はなく...
高浜虚子 「俳句への道」
...殊(こと)に発句から二...
高浜虚子 「俳句への道」
...後に連歌という形式から一転して次第にそうした階級的の束縛を脱しいわゆる俳諧から発句に進化したために著しくその活躍する世界を拡張して詩材の摂取範囲を豊富にした...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...それはとにかく材料の選択と取り合わせだけではまだ発句はできない...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...発句がただ一枚の写真であれば連俳は一巻の映画である...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...この老人は発句を作って何とかの俳号も持っていた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...」など云ふ江戸座の発句を...
永井荷風 「里の今昔」
...立派に独立した発句になっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...と同時に伊太夫は、この発句が、たしかに誰かの句であったということの記憶が呼びさまされました...
中里介山 「大菩薩峠」
...序だからいふが、発句では「や、かな」を使はないことになつてゐるさうだ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...むしろ発句の極度なる流行が...
柳田国男 「木綿以前の事」
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