...いまや我々は癩というものを単なる肉体の病気の一種としてのみ理解しているのではない...
伊丹万作 「映画と癩の問題」
...映画の癩者を見て泣いた人が現実の癩者を見て泣くかどうかは非常に疑問であり...
伊丹万作 「映画と癩の問題」
...この癩をなくしたいと種々考慮の末...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...私は癩に關することなら...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...御子息英一樣の救癩愛國切手の御計畫に就いても...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...天窗は、ほのぼの明(あか)る火影(あかり)の核心窓々の、硝子に空がひつそりと鍍金してゐる中庭の中敷石は、アルカリ水の匂ひして黒い睡気で一杯の壁の影をば甘んじて受けてゐるのでありました……誰か恋のやつれや浅ましい恨みを口にするものぞまた、潔い人をも汚すといふかの憎悪(にくしみ)がもたらす所為を云ふものぞ、おゝ穢らはしい狂人等、折も折かの癩が、こんなやさしい肉体を啖(くら)はんとするその時に……さて彼女に、ヒステリックな錯乱がまたも起つて来ますといふと彼女は目(ま)のあたり見るのです、幸福な悲愁の思ひに浸りつつ、恋人が真つ白い無数のマリアを夢みてゐるのを、愛の一夜の明け方に、いとも悲痛な面持(おももち)で...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...五に癩病などの悪き疾(やまい)あれば去る...
福沢諭吉 「女大学評論」
...「お前はまだ癩病だな」樹上から彼は言うのだ...
北條民雄 「いのちの初夜」
...よし癩文学といふものがあるものとしても...
北條民雄 「頃日雑記」
...――癩――癩、私の周囲は癩ばかりである...
北條民雄 「青春の天刑病者達」
...癩者はそれを無意識のうちにやつてのけるんだ...
北條民雄 「道化芝居」
...×だから私はもう少し癩を書きたい...
北條民雄 「柊の垣のうちから」
...癩の疵でないことを示し得たことに幾分の喜びを感じたのであらう...
北條民雄 「間木老人」
...ただみな癩を病んでゐるといふ点だけが共通してゐたのである...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...辻野君は「癩者への接吻」の方を撰びました...
堀辰雄 「辻野久憲君」
...或はまた癩病患者...
三島霜川 「解剖室」
...これは北條民雄の癩とのたたかいをかいた文学について川端が生命のぎりぎりの感覚として称讚したときも...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...汝のようなまだ襁褓(おしめ)のにおいがするような疥癩(かいらい)の小児を...
吉川英治 「三国志」
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