...要するに不完全にして歴史家自身の性癖に依從するところ多き部分的概括に過ぎない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...「えゝこんな悪い癖がついてしまったの...
有島武郎 「或る女」
...「野村君は支那語を知つてる癖に何故北海道あたりへ来たんだ?」と云ふが...
石川啄木 「病院の窓」
...忽(たちま)ち鈍いウウーンという幅の広い響きが室内に起ったが、その音は大変力の無い音のようで居て、その癖に、永く聴いているとなにかこう腹の中に爬虫類(はちゅうるい)の動物が居て、そいつがムクムクと動き出し内蔵を鋭い牙でもって内側からチクチクと喰いつくような感じがして、流石(さすが)に柿丘も不愉快になった...
海野十三 「振動魔」
...どうするの?」その癖...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...それも一つの立派な癖には相違ないが...
薄田泣菫 「茶話」
...父は涙をふるってこの盗癖のある子を折檻(せっかん)した...
太宰治 「ロマネスク」
...中野重治は言葉の勘に実に潔癖な評論家である...
戸坂潤 「文芸評論の方法について」
...その癖己はもうの側まで駆け付けてゐたのである...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...また盲人通有の癖として...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...尤もややもすれば論理よりも修辭によつて思想の力よりも感情の勢ひによつて動く癖のあるこの神學者においては...
波多野精一 「時と永遠」
...難癖をつけられる覚えはないんですもの...
牧野信一 「鬼涙村」
...知りすぎるほど知っている癖に...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...日常友だちを相手に無責任な雜談をする時の癖で...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...長い両方の眉毛をつりあげるようにして下唇をなめる昔の癖を出しながら...
「朝の風」
...昔からふしぎなくらい女には潔癖な方ですが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...帝王の習癖も一つは市民の習慣となって後世に伝わるのだ...
横光利一 「欧洲紀行」
...毎年の癖で、その頃になると必ずの樣に旅に出たくなるのだ...
若山牧水 「樹木とその葉」
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