...叔父もまた大正の末年に食道癌を病んで死んでしまった...
芥川龍之介 「本所両国」
...すぐに『何雜誌の何月號にひしの實が胃癌の妙藥と書いてあつたから早速とりよせませうね...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...「もう癌(がん)は胃の方ばかりじゃないそうだ...
徳田秋声 「黴」
...どうやら乳癌と上顎癌とであるらしい...
外村繁 「日を愛しむ」
...いやっけな病気だね」「乳癌は一番直り易いというじゃないか...
外村繁 「日を愛しむ」
...癌研へ行って来ます」白紙に明礬水(みょうばんすい)で書いた文字が炙り出されて来るように...
外村繁 「澪標」
...癌病棟の病室でこのような健康な想像をするのは...
外村繁 「落日の光景」
...癌腫(がんしゅ)らしい分泌物(ぶんぴぶつ)との臭気は相変らず鼻を衝(つ)いた...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...最後は肝臓に転移して肝臓癌で死んだ...
久生十蘭 「肌色の月」
...親譲りの癌腫というぬきさしのならない宿命にたいする崇高なレジスタンスなんだと自分では信じている...
久生十蘭 「肌色の月」
...久美子は父が肝臓癌で死んだことから...
久生十蘭 「肌色の月」
...胃癌とか、中風とかいう病気のことをきくと、もう免れっこはないように思う...
平林初之輔 「雑文一束」
...癌と診断され癌研究所へ入院したのでその見舞に行った...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...此の堆積物はQ城の市民にとつては癌であつた...
横光利一 「静かなる羅列」
...中央の癌(がん)足利(あしかが)初世以来の幕府勢力まで悉(ことごと)く京都から追い払ってしまった彼である...
吉川英治 「黒田如水」
...かえって後日の癌(がん)にならないとも限らない――どうだろう? いっそ今のうちに...
吉川英治 「三国志」
...潰瘍(かいよう)が癌(がん)になりかけていたのだろう...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...この罪人植民は後にスペイン植民地経営の癌となったものである...
和辻哲郎 「鎖国」
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