...事務長が一流のきびきびした悪辣(あくらつ)な手で思うさま翻弄(ほんろう)して見せるのをながめて楽しむのが一種の痼疾(こしつ)のようになった...
有島武郎 「或る女」
...尤もこういう痼癖がしばしば大きな詩や哲学を作り出すのであるが...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...つまり夫人は家つきの我儘(わがまま)娘で痼疾(こしつ)の肺結核はあり...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...一種の痼疾となっているものである...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...雷のことを聞くのが痼疾(こしつ)だから...
橘外男 「雷嫌いの話」
...測定器で私の首の痼を測る...
外村繁 「日を愛しむ」
...世の中の十中ほとんど十の人々はみな痼疾で倒れてゆくのである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...我家族の一人は現にこの法を用ゐて十年の痼疾(こしつ)とみに癒(い)えたる例あり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...私は痼疾(こしつ)と云っても肝臓や盲腸で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...蘭軒は今僅に二十三歳にして既に幾分か其痼疾に悩まされてゐたのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...わたくしは霞亭に痼疾のあつたことを聞かない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...瘡毒などの痼疾(こしつ)があるとも認められませんし...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...知らぬまに痼疾がそこまですすんでいたものか...
山本周五郎 「日本婦道記」
...彼は痼疾(こしつ)の中風症に震える老躯(ろうく)を数人の使部(しぶ)に護(まも)られて...
横光利一 「日輪」
...その背後で痼疾に震えている宿禰の上へ飛びかかると...
横光利一 「日輪」
...心臓の痼疾ある妻を聊か苦めた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...(これは痼疾(こしつ)となって生涯の不具となった)――で...
吉川英治 「黒田如水」
...卿の痼疾の病は、吉平に毒を盛らせたら癒(い)えるものであろう」「げッ...
吉川英治 「三国志」
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