...事務長が一流のきびきびした悪辣(あくらつ)な手で思うさま翻弄(ほんろう)して見せるのをながめて楽しむのが一種の痼疾(こしつ)のようになった...
有島武郎 「或る女」
...雷のことを聞くのが痼疾(こしつ)だから...
橘外男 「雷嫌いの話」
...一片の痛恨深く痼(こ)して...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...私の首筋の痼(しこり)の大きさを測り...
外村繁 「日を愛しむ」
...あなたは大丈夫だとは思っていましたけれど」「でもね、首筋の痼をね、取ってしまおうかって、三雲教授に言われたよ」「すると、あなたでもまだ無罪放免ってわけにはいかんのね」「そうらしいね、でも、口腔外科では心配ないと言われてはいるのだがね...
外村繁 「日を愛しむ」
...自分は彼の痼疾(こしつ)が秋風の吹き募(つの)るに従って...
夏目漱石 「行人」
...永年の工場生活より来ている痼疾が...
細井和喜蔵 「モルモット」
...世の中の十中ほとんど十の人々はみな痼疾で倒れてゆくのである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...我家族の一人は現にこの法を用ゐて十年の痼疾(こしつ)とみに癒(い)えたる例あり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...私は痼疾(こしつ)と云っても肝臓や盲腸で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一年沈痼尚難痊...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...わたくしは霞亭に痼疾のあつたことを聞かない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...安斎は遺伝の痼疾(こしつ)を持っている...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...彼は痼疾(こしつ)の中風症に震える老躯(ろうく)を数人の使部(しぶ)に護(まも)られて...
横光利一 「日輪」
...昨年からの痼疾(こしつ)の病のため...
吉川英治 「三国志」
...痼疾(こしつ)がなくても...
吉川英治 「三国志」
...あのときの獄中生活でできた皮膚病も痼疾(こしつ)となったかたちで...
吉川英治 「新書太閤記」
...持って生れた痼疾(こしつ)のように...
吉川英治 「源頼朝」
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