...痴態を免れ得ない...
伊藤左千夫 「春の潮」
...彼等の爲す所を以て痴態と笑ふ勿れ...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...さんざんに痴態を演じているうちにも...
徳田秋声 「仮装人物」
...痴態の限りをつくしている...
外村繁 「澪標」
...石川豊信(いしかわとよのぶ)らと並んで頗(すこぶ)る妖艶(ようえん)なる婦女の痴態(ちたい)を描きまた役者絵も尠(すくな)しとせず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...彼等の為(な)す痴態の限りを為し終るまでながめてやろうと...
中里介山 「大菩薩峠」
...今し生命判断を頼んで来た痴態の限りの二人の者...
中里介山 「大菩薩峠」
...今のお前さんの狂態痴態というものを見ていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...泰然と鶴子の痴態に見入っている...
久生十蘭 「魔都」
...或いは先刻鶴子が皇帝の眼の前で加十と眼に余る痴態を演じたので...
久生十蘭 「魔都」
...寝台の痴態(ちたい)において...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...たゞ、この一年半ばかりの間の……と、云ふ程のこともないのであるが、己れの痴態が、時々呆然と眺める眼の前の木々の間や、直ぐその先きには海でもありさうな白昼の白い路に、ヒヨロ/\と写るばかりであつた...
牧野信一 「鏡地獄」
...真に眼を白黒させるが如き痴態を示すのが...
牧野信一 「川を遡りて」
...現実離れのした綺麗な男女の滑稽な痴態の有様が村井の繰り展(の)べる巻物の中で行列を成してゐた...
牧野信一 「南風譜」
...やがてのことには何んな痴態をも演じかねぬと想像すると音田は...
牧野信一 「まぼろし」
...便所の横の若夫婦の痴態が目にうかんだ...
山川方夫 「愛のごとく」
...醜悪な痴態の中におれはいるのだ...
山川方夫 「愛のごとく」
...さほどな痴態(ちたい)悪業におよびながら...
吉川英治 「新・水滸伝」
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