...先刻はいた痰(たん)が腐った牡蠣(かき)のように床に付着している...
梅崎春生 「日の果て」
...彼はじっとその痰を眺めていた...
梅崎春生 「日の果て」
...先刻仮小屋の床に見た痰の色がまざまざと宇治の脳裏にふとよみがえって来たのである...
梅崎春生 「日の果て」
...孔子は色々難(むつか)しい事を聴かせて呉れる上に滅多に金を貸せなぞ言はないから)何を忘れても痰壺だけは用意しておく事だ...
薄田泣菫 「茶話」
...居士は病床に寝たままで枕元の痰吐きに沢山咯血をしていた...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...そこの土の上に血痰を吐いて...
武田麟太郎 「現代詩」
...」のどに痰(たん)がからまっていたので...
太宰治 「鉄面皮」
...『痰壺のその顔へ吐いてやれ』といふ句や...
種田山頭火 「行乞記」
...まだ咽喉(のど)にこびりついているような痰(たん)が取れなかった...
徳田秋声 「黴」
...こいつはおれの痰唾を顔につけたまま...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...痰を吐き出してしまうと...
豊島与志雄 「二つの途」
...たとえば、気管支カタルでは、刺激、鎮静、去痰、の必要に応じて次のような薬剤が使われる...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...青痰やら唾やら、何ともいえぬ悪臭がその土間から立ちのぼる...
久生十蘭 「魔都」
...「この頓痴気野郎が」と云ひ様足許近くに置いてあつた痰壺を取上げて判官目がけて投げつけた...
平出修 「逆徒」
...赤い頭のペピイはそれを馬鹿らしく思ふらしく痰を吐いて見せる...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「老人」
...痰(たん)が絡んでるようでもないし咳(せき)をするんでもないようだし...
山本周五郎 「思い違い物語」
...馬上から青痰(あおたん)をかけられた恩人である...
吉川英治 「剣難女難」
...プーンと立登って来るフォルマリンの匂いを嗅ぎながら注意深く吐落した一塊りの痰を観察すると...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
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