...妙な顔をして流しへ痰(たん)を吐いた...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...痰(たん)も馬琴の浴びた湯に...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...」としたゝかに痰(たん)をはいて...
泉鏡太郎 「一席話」
...先刻仮小屋の床に見た痰の色がまざまざと宇治の脳裏にふとよみがえって来たのである...
梅崎春生 「日の果て」
...ぜいぜい声の痰(たん)もち先生か...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...今日は朝から血痰が一度も出ないし...
豊島与志雄 「好意」
...そして喉にからまる痰の音が...
豊島与志雄 「生あらば」
...痰のからまる急な呼吸に時々喘いで...
豊島与志雄 「同胞」
...円く塊(かた)まって浮いている痰の中に...
豊島与志雄 「二つの途」
...じゃ熊本では煙草(たばこ)を喫(の)まないか痰(たん)を吐かないかというと現に煙草を喫んでいる...
夏目漱石 「道楽と職業」
...痰が向うの路地に飛ぶ...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...主人の咳払(せきばらひ)をして痰(たん)を吐いて小便をする音が聞える...
森鴎外 「金貨」
...菓子はミジン棒に豆捻じおいち、ねじ金、兎の糞、カヤの痰切れ、鉄砲玉、なんでも買えるぞと日頃の鬱憤を晴らすつもり、乃至は軒先の縁台に据えた火鉢でお手ずからのボッタラ焼き、友達にも買ってやって夕方までは天保一枚で大御機嫌...
山本笑月 「明治世相百話」
...吐(は)きつけられた痰(たん)つばをも...
吉川英治 「神州天馬侠」
...しばらく忘れていた血痰(けったん)が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...牢屋塀(べい)の下草へ痰(たん)つばを吐きかけながら...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...痰(たん)を吐く気力もなかった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...かさかさな鼻腔の奥を鳴らしてカッと痰(たん)をすれば...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索