...痰壺(たんつぼ)だけは...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「眠りの精」
...自分でも要慎(ようじん)して痰(たん)は必ず鼻紙へ取って決してやたらと棄(す)てなかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...その隅っこに白い瀬戸製の痰壺が置いてあった...
海野十三 「深夜の市長」
...非風君がかっと吐くと鮮かな赤い血の網のようにからまった痰(たん)が波の上に浮いたのは...
高浜虚子 「子規居士と余」
...……もううれしくて……うれしくて……」痰(たん)が喉(のど)に絡まるのであろう...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...痰(たん)を吐(は)きとばします...
田中英光 「オリンポスの果実」
...……痰が切れない爺さんと寝床ならべる・孫に腰をたゝかせてゐるおぢいさんは・眼の見えない人とゐて話がない水仙一りんのつめたい水をくみあげる水のんでこの憂欝のやりどころなしあるけばあるけば木の葉ちるちる先夜同宿した得体の解らない人とまた同宿した...
種田山頭火 「行乞記」
...まだ咽喉(のど)にこびりついているような痰(たん)が取れなかった...
徳田秋声 「黴」
...この頃痰が余程少くなったのはよい徴候です...
豊島与志雄 「生あらば」
...「痰吐を空けて来てくれませんか...
豊島与志雄 「二つの途」
...が咄嗟に看護婦が痰吐を差出すと...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...意氣地のない青二才だ』「カツ」と痰を吐いたのが...
萩原朔太郎 「二十三夜」
...青痰やら唾やら、何ともいえぬ悪臭がその土間から立ちのぼる...
久生十蘭 「魔都」
...それはまるで彼自身がそこへ無神經にしちらした痰のやうに見えた...
堀辰雄 「恢復期」
...主人の咳払(せきばらひ)をして痰(たん)を吐いて小便をする音が聞える...
森鴎外 「金貨」
...王様が痰をお吐きになる時は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...馬上から青痰(あおたん)をかけられた恩人である...
吉川英治 「剣難女難」
...しばらく忘れていた血痰(けったん)が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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