...そこに上半身を起している死神のような顔をした痩せ衰えた男...
海野十三 「千早館の迷路」
...其の痩せ衰えた胸を太らせて...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...痩せ衰えた頬がつやゝかにかゞやいているのを見ながら...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...どうしてこのガーターは薔薇色の絹で飾り編みしてあるんだろう――どうしてこの銀の留め金具のある絹のガーターがお前の痩せ衰えた喉のところにあるんだろう...
R.W. チェンバース R.W. Chambers The Creative CAT 訳 「四風の街」
...痩せ衰えた肺病やみらしい...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...痩せ衰えた手で傍の剣を指し...
中島敦 「牛人」
...嘗(かつ)ての痩せ衰えた・空咳をする・おどおどと畏れ惑(まど)う・哀れな小心者ではなかった...
中島敦 「南島譚」
...発育不良らしく痩せ衰えたうえ小柄で青白くて日蔭に咲きかけた雑草の花のような感じのする小娘です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...可哀相に――そのヴァイオリンを痩せ衰えた手で撫でながら...
野村胡堂 「天才兄妹」
...骸骨(がいこつ)のように痩せ衰えた体を毛皮で包んでいました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...……まるで亡者のように痩せ衰えた...
久生十蘭 「魔都」
...ラッパチーニ博士の痩せ衰えた姿と蒼(あお)ざめた魂とがあった...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...私は見違えるほど痩せ衰えた自分の顔を洗面所の鏡の中に覗いてみた...
夢野久作 「冥土行進曲」
...二人は暫く安次の痩せ衰えた顔を黙って眺めていた...
横光利一 「南北」
...全身蒼白に痩せ衰えた裸体の男が口から血を吐き流したまま足もとに横たわっていた...
横光利一 「旅愁」
...なぜこんな痩せ衰えた姿となってキリストが殺されねばならなかったかという事情が...
横光利一 「旅愁」
...「……そんなに痩せ衰えたろうか」孫策は或る折...
吉川英治 「三国志」
...糸のように痩せ衰えた郁次郎を引き立てて...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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