...痩せこけた伯母の出して呉れた麥煎餅は...
石川啄木 「葬列」
...死骸の顔のある方から蒼白い痩せこけた一本の手がすうと出て...
田中貢太郎 「死人の手」
...痩せこけた深い凹(くぼ)みが...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「碧眼」
...――・ふりかへる柿の葉のひらり・アスフアルトもをんなくさい朝の風・叱られる馬で痩せこけた馬で梅雨ふる・はれたりふつたり青田となつた梅の実も落ちたまゝお客がない・梅雨晴の大きい家が建つ□・山頭火は其中庵にふくろうがうたふ△秘密を持たないやすらかさ...
種田山頭火 「行乞記」
...腮(あご)の骨の痩せこけた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...丈(せい)の低い痩せこけた芭蕉だの...
田山録弥 「紅葉山人訪問記」
...背に痩せこけた女の兒を負っていた...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...すぐ入口の戸は開けられて背の高い痩せこけた不愛憎(ぶあいそう)ないやらしい顔をした女が現れました...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「黄色な顔」
...小銃を支えにして目下静かに広がる街めがけ荒っぽくその痩せこけた手を振る...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...そのころの痩せこけた寂しい姿が痛ましく目に浮かんできた...
徳田秋声 「蒼白い月」
...他愛なく笑ひさざめく男達の前で裸踊する痩せこけた女の顏...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...これが痩せこけた肩をズリ下げるようにして...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...いたって年をとった痩せこけた男で...
正岡容 「圓朝花火」
...青白く痩せこけた上にコテコテとお化粧をした……鼻の頭がツンと上を向いた……眼の球のギョロギョロと大きい……年はいくつかわからない西洋人のようにヒョロ長い女であった...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...さながらに痩せこけた源次の死面(しにがお)のように...
夢野久作 「斜坑」
...痩せこけた娘の顎の間から...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...痩せこけた顔を持たないでもいいのだ...
吉川英治 「三国志」
...その痩せこけた鼻下(びか)にはうすいどじょう髭(ひげ)が生えていたように思う...
吉川英治 「宮本武蔵」
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