...「ちょっと貸して……ちょっと貸して……」胸が痞(つか)えて...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...胸が痞(つか)えた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...胸に痞(つか)えているせいでもあった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...義兄としても余程胸に痞(つか)えているに違いなく...
谷崎潤一郎 「細雪」
...咽喉(のど)の奥に痞(つか)えた...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...何か胸に痞えるものがあるらしく...
種田山頭火 「其中日記」
...疝気疝癪(せんきせんしゃく)胸痞(むねつか)え」までは覚えているがその先は忘れてしまった...
寺田寅彦 「物売りの声」
...右を向いても痞(つか)えている...
夏目漱石 「永日小品」
...どうも硬(こわ)いのは胸に痞(つか)えていけないよ」「御茶でも上がったら……注(つ)ぎましょうか」青年は無言のまま食堂へ抜けた...
夏目漱石 「虞美人草」
...一つはこれが胸に痞(つか)えていたからであった...
夏目漱石 「明暗」
...どう云うものかこの時ばかりは咽喉(のど)に物が痞(つか)えて思うような声が出ない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...胸一杯に痞(つか)えた溜飲を下げて居るのでした...
野村胡堂 「礫心中」
...胸に痞(つか)への病は癪(しやく)にあらねどそもそも床に就きたる時...
樋口一葉 「大つごもり」
...果は自分の胸の痞(つかえ)も押さげたという...
二葉亭四迷 「浮雲」
...胸の痞(つか)へをおろして云つた...
正宗白鳥 「假面」
...久しぶりで喉(のど)に痞(つか)えぬ飯を喰ふとしやうか...
三島霜川 「平民の娘」
...私はむねに痞(つか)えているものが一度に下りた気がした...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...嘆じられるものが痞(こ)みあげて来ます...
吉川英治 「新書太閤記」
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