...彼らの前途のためにもしくは彼らを見習う多くの青年のためにぜひ一痛棒を加えておく必要を感じたのであった...
高浜虚子 「子規居士と余」
...子供がままごと遊びをする時は必ず大人(おとな)の真似をするされば彼女も自分は検校に愛せられていたのでかつて己(おの)れの肉体に痛棒(つうぼう)を喫(きっ)したことはないが日頃の師匠の流儀(りゅうぎ)を知り師たる者はあのようにするのが本来であると幼心に合点(がてん)して...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...これあたかも三百の痛棒を以て...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...あなたもよっぽど卑劣な方ね」「卑劣は一大痛棒だね...
夏目漱石 「虞美人草」
...秘書役になぞらへて痛棒を喰はせた皮肉な見立なのであつた...
牧野信一 「蝉」
...若き圓朝に一大痛棒を加えんとした場面が...
正岡容 「小説 圓朝」
...礼讃の正反対たる撃退目的の痛棒をクラワシてやるのである...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...他の譯者もそれぞれ痛棒を喰はされはしたが...
宮原晃一郎 「イプセンの日本語譯」
...いい痛棒のくらわし手がないと...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いつも愚かな自分の判断に対する一大痛棒であることを悟るであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それも曹洞の痛棒に敲(たた)きぬかれて...
山本周五郎 「思い違い物語」
...虚無の醒(さ)めるような痛棒をお与え下さい...
吉川英治 「宮本武蔵」
...本願寺に痛棒を与えることも出来ず...
和辻哲郎 「鎖国」
...また仰山(きょうざん)の弟子妙信尼(みょうしんに)がいかに十七僧に痛棒を喰らわせたかを語った...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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