...併し彼は痛憤に湧きかへりながらも否々と叫び出す...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...四五の少壯輩が酒を汲んで例の痛憤談をやつて居る...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...この田中正造を狂人かなにかにして取扱ったのだ」いかにも痛憤に堪えぬという口吻であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...かかる彼女について痛憤の手を絞るのである...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...居士が余に別れて独り根岸の家に帰って後ちの痛憤の情はその夜居士が戦地に在る飄亭君に送った書面によって明白である...
高浜虚子 「子規居士と余」
...当の和田左衛門尉さまをはじめ御一族の方々の御痛憤はいかばかりか...
太宰治 「右大臣実朝」
...その夜は私も痛憤して...
太宰治 「風の便り」
...君ひとり死なせたる世の悪への痛憤...
太宰治 「HUMAN LOST」
...長兄が、ひとにだまされて、モンテエニュの使ったラケットと称する、へんてつもない古いラケットを五十円に値切って買って来て、得々(とくとく)としていた時など、次男は、陰でひとり、余りの痛憤に、大熱を発した...
太宰治 「ろまん燈籠」
...痛憤と煩悶(はんもん)との数日のうちには...
中島敦 「李陵」
...どうしても怨恨痛憤(えんこんつうふん)の音(おん)だ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...時局を痛憤揶揄したりした落首的のものが多い...
正岡容 「寄席風流」
...殆んど痛憤の口ぶりで云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...時に痛憤の抑へ難きものやありけん...
與謝野禮嚴 「禮嚴法師歌集」
...切歯(せっし)痛憤するも...
吉川英治 「黒田如水」
...弟の劉を国主に立てたことを痛憤して...
吉川英治 「三国志」
...と痛憤に似たものが涙をすらふとついてくる...
吉川英治 「私本太平記」
...彼の人民の痛憤、外敵に対する蜂起を、制止し得る自信はもう彼にはなかった...
和辻哲郎 「鎖国」
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