...更に痛切な人生の光景に味到するであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...彼れは肉と靈との間の痛切な吸引力に動かされずには居られなくなつた...
有島武郎 「半日」
...痛切なるべき考察を回避し...
石川啄木 「性急な思想」
...第三章 基督教会に捨てられし時(注意)ここに用ゆる基督教ならびに基督信者なる語は普通世に称する教会ならびに信者を謂うものにしていずれか真いずれか偽は全能なる神のみ知りたまうなり人は集合する動物なり(Gregarious animal)、単独は彼の性にあらず、白鷺(しろさぎ)のごとく独り曠野に巣を結び、痛切なる悲声、聞くものをして戦慄せしむる動物あり、飜魚(まんぼう)のごとく大洋中箇々に棲息しただ寂寥を破らんためにか空に向(むかっ)て飛揚を試むる奇性魚あり、または狸のごとく好(このん)で日光を避け、古木の下或は陰鬱たる岩石の間に小穴を穿(うが)ち、生れて、生んで、死する、動物あり、されども人は水産上国家の大富源なる鰊(にしん)、鱈(たら)、鯖魚(さば)のごとく、南米の糞山(ふんざん)を作る海鳥のごとく、ロッキー山を攀(よ)じ登る山羊のごとく、集合動物にして、古人の言いしごとく単独を歓ぶ人は神にあらざれば野獣なり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...ただ僕自身痛切な経験をなめたので...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...最も痛切なる勝利であり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...おそらくは崇高なる現実となる痛切なる幻影が世にはある...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...困窮の不正なる恥辱と痛切なる赤面とを知った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...却て一種痛切な娯楽慰安を感ぜしめるに至る病的の心理状態が...
永井荷風 「谷崎潤一郎氏の作品」
...殊に政党の振わざる今日に於て星を思うこと痛切なるものがある...
中里介山 「生前身後の事」
...他人にはそれほど痛切な感じを与えないと覚悟しなければなるまい...
夏目漱石 「三四郎」
...それでも比較的痛切な題目に対する虚子の叙述的態度は依然として余裕がある様である...
「高浜虚子著『鶏頭』序」
...生活的イデヤの痛切な訴えでなければならぬ...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...身を切るような痛切な形式でもって襲いかかりはじめたので...
夢野久作 「木魂」
...現実もしくは現実以上に深刻痛切なものがあること...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...何等かの痛切なる事情に迫られて...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...もっと痛切な国患の秋(とき)です...
吉川英治 「三国志」
...そう痛切なる感慨では決してなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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