...問 然らばその理由は如何?答 我等河童は如何なる芸術にも河童を求むること痛切なればなり...
芥川龍之介 「河童」
...哀れとか気の毒とかいうよりさらに痛切な感慨に...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...然しながら寄生木を読んだ将軍夫妻は、生前(せいぜん)顔を合わすれば棒立(ぼうだち)に立ってよくは口もきけず、幼年学校でも士官学校でも学科はなまけ、病気ばかりして、晩年には殊に謀叛気(むほんぎ)を見せて、恩義を弁(わきま)えたらしくもなかった篠原良平が、案外深い感謝あり、理解あり、同情あり、而して個性あり、痛切な苦悶あり、要するに一個真面目の霊魂(れいこん)であったことを今更の様に発見したであろう...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...また彼の財布にとってはさらに痛切なものだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...回復できない亡失の痛切な負傷(いたで)も...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ごく自然でまたかなり痛切なこととして叙述されていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...最も痛切なる勝利であり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そうしてその忘れた時に最も痛切なる必要を感じてきた...
中里介山 「大菩薩峠」
...この痛切な二十世紀にそんな気楽な事が云っていられるものか...
夏目漱石 「野分」
...イデアの痛切な思慕を歌ったところの...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...佐多稲子の小説「虚偽」の中に痛切な連関をもってわたしたちを再び考えさせる...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十一巻)」
...ここに痛切な疑問があると思います...
宮本百合子 「現実の道」
...その痛切な知りかたや対しかたが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そこに何か痛切なものがあります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...また人生にとって最も痛切なる内容を有(も)つ日本語の一つであった...
柳田国男 「木綿以前の事」
...はたされなかった自分の痛切な希望を見る気がした...
山川方夫 「その一年」
...身を切るような痛切な形式でもって襲いかかりはじめたので...
夢野久作 「木魂」
...勝頼の痛切な質問にたいして答え得るものは...
吉川英治 「新書太閤記」
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