...無残な指の痕(あと)に唇を当てた...
芥川龍之介 「影」
...その辺の血痕は鋭く光った...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...何の痕跡も残さず...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...まだ一度も手首の傷痕のことを彼に話していないのでした...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...おまけに彼は、いつの間にそんな修行を積んだのであろうか、頗(すこぶ)る巧妙な話術を以て、その屋根裏で目撃した数々の首の種類、表情、皮膚の色、血痕、臭気に至るまでを、まざ/\と目に浮かぶが如く言葉で描写するのであった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...火傷の痕はみなケロイド状で...
豊島与志雄 「ヒロシマの声」
...その角が欠けてわずかに痕をとどめているものなど...
中谷宇吉郎 「雑記」
...背中の傷痕(きずあと)を見せて上げな」「へエ」何と言ふ事...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...額に深い大きな痕(きず)あとがあって...
長谷川時雨 「古屋島七兵衛」
...わずかな痕跡を手がかりにして再び嗅ぎつける...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...遂には痘痕も何にもない婦人まで「ムーシユ」を用ゐるやうになつて...
堀口九萬一 「東西ほくろ考」
...痘痕(あばた)があって...
森鴎外 「安井夫人」
...少なくとも千年は経て居るのに其痕跡だけは伝わったのである...
柳田國男 「どら猫観察記」
...「扱帯(しごき)で縊(くび)れた痕(あと)がひどいし...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...ホラこの通りこの血の塊(かた)まりの陰にナイフの刺さった小さい痕(あと)があるじゃろう」「刺し方が猛烈過ぎやしませんか」「むろんだとも...
夢野久作 「二重心臓」
...しかれどもおさなかりけるうき人の俤(おもかげ)に似(に)し君(きみ)を見(み)てうらぶれわたるわれさへも西の京の去りかねてやれだいこ(烏水の家に宿りて)花なる人のこひしとて月に泣いたは夢なるものたて綻(ほころ)びしころも手に涙の痕のしるくともうき世にあさき我なれば君もさのみはとがめじ――花なる人の戀しとて月に泣いたはゆめなるもの――つらけれど...
横瀬夜雨 「花守」
...尻ッ尾の痕のある人間だけに...
吉川英治 「大岡越前」
...点々たる返り血の痕(あと)――...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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