...余り歯痒(はがゆ)い気がするので...
芥川龍之介 「開化の良人」
...痒(かゆ)うてたまらなんだ事があるが...
芥川龍之介 「竜」
...それは蕁麻疹(じんましん)のような痒さであったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...表皮を剥がれても痛痒を感じない――生育上支障を来さない――むしろそれを喜んでゐるやうに見えるといふ...
種田山頭火 「旅日記」
...痒いところをつねるような痛さから...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...変にむず痒くって...
豊島与志雄 「童貞」
...それからむやみと痒くなって...
豊島与志雄 「反抗」
...何らの痛痒(つうよう)を彼に与えるに足りなかった...
夏目漱石 「明暗」
...そのむず痒いやうな感覺...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...見るも歯痒(はがゆ)いような船足でのろのろと近づいてゆく...
久生十蘭 「キャラコさん」
...痛くも痒くもない程度だった...
火野葦平 「花と龍」
...時にはその大きくあいた口の横わきをさも痒(かゆ)いようなふりをして指でこすりながらはあはあ息だけで笑いました...
宮沢賢治 「虔十公園林」
...その時分にはやつた流行歌をうたつて見るに限る――日清談判破裂して……この歌を低吟すると霜やけの痒(か)ゆかつた幼年時の冬が思ひ出される...
宮地嘉六 「老残」
...私は歯痒(はがゆ)く感ぜずにはおられぬのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...それが自分等には歯痒ゆきところはあれど自然と人生の交渉に禅的ユニテイの味識を説き...
山村暮鳥 「小川芋銭」
...『予(あらかじ)め掻(か)いて痒(かゆ)きを待つ』じゃった...
夢野久作 「斬られたさに」
...唇(くち)の周囲(ぐるり)がムズ痒いような気持で...
夢野久作 「近世快人伝」
...面白くも痒くもありゃしないよ...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
便利!手書き漢字入力検索