...――「ナポレオンでも蚤(のみ)に食われた時は痒(かゆ)いと思ったのに違いないのだ...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...此時自分の心はムヅ痒いやうな苦しいやうな快感を覺える...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...痒(かゆ)いんだか...
泉鏡花 「歌行燈」
...君たち二人ぐらい奢っても痛痒(つうよう)は感じないんだ...
海野十三 「宇宙尖兵」
...ところによりては痒み甚だしきあまり厖大に発熱腫脹(しゅちょう)(?)し...
海野十三 「発明小僧」
...背筋の痒さは一層強く覚え出した...
江見水蔭 「怪異黒姫おろし」
...しかし痒いところを掻く時の気持は何ともいへない快さである...
種田山頭火 「其中日記」
...足が痛い、頭が痒い、多少いら/\する、物資が乏しくなつたからでもあらう、もう米も石油も煙草も乏しくなつた...
種田山頭火 「其中日記」
...矢張(やっぱり)房吉を歯痒(はがゆ)く思った...
徳田秋声 「あらくれ」
...」銀子も何か歯痒(はがゆ)くなり...
徳田秋声 「縮図」
...痒い処へ手が届いたような論告が...
戸坂潤 「社会時評」
...人混みに紛れて逃げ去ろうとするのは歯痒(はがゆ)い...
中里介山 「大菩薩峠」
...くびが痒(かゆ)くなつたので...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...系圖のことを突つ込んで見なかつたんです」八五郎はそれが齒痒(はがゆ)さうでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...おまへはほんとに不愉快だ』そして痒いところへ手をやらうともしなかつた...
萩原朔太郎 「諷詩」
...そんなことをしたってどちらもうれしくも痒くもない...
久生十蘭 「だいこん」
...腹など痒くて困る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...別段に痛い処も痒(かゆ)い処もないが……併し眼と口の中が砂ホコリで一パイになっているらしく...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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