...余り歯痒(はがゆ)い気がするので...
芥川龍之介 「開化の良人」
...一撃に敵を打ち倒すことには何の痛痒(つうやう)も感じない代りに...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...恵印(えいん)はどうやら赤鼻の奥がむず痒(がゆ)いような心もちがして...
芥川龍之介 「竜」
...右のごとく長州の騒動(そうどう)に対して痛痒(つうよう)相(あい)関(かん)せざりしに反し...
石河幹明 「瘠我慢の説」
...ところによりては痒み甚だしきあまり厖大に発熱腫脹(しゅちょう)(?)し...
海野十三 「発明小僧」
...背筋の痒さは一層強く覚え出した...
江見水蔭 「怪異黒姫おろし」
...痒さが最もおそろしいと主張いたしました...
太宰治 「皮膚と心」
...ぞっとして全身むず痒くなります...
太宰治 「皮膚と心」
...而も閣下は此の法案の貴族院に否決せらるゝを見て痛痒の表感なかりしのみならず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...紺青に底光りする海のうへに朝日があかあかとのぼつてむず痒く汗を滲ませるころ砂丘のあひだの小路から漁師や女子供たちががやがやおりてきて地曳きをひきはじめた...
中勘助 「銀の匙」
...人混みに紛れて逃げ去ろうとするのは歯痒(はがゆ)い...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを歯痒(はがゆ)さに堪えられないでいたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...武士は痒さをじつと怺(こら)へてゐた...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...夕ぐれてほの痒くなる指のさき坂をくだれば一群の鳥は高きをすぎ行けり...
萩原朔太郎 「鳥」
...少し飲んだビールで忽ち兄は皮膚に痒みを発してゐた...
原民喜 「永遠のみどり」
...道中奉行は行列をとめ、山添椿庵という御側医者に御容態を伺わせたが、只、「痒い、痒い」とわめかれるばかりで手の施しようもない...
久生十蘭 「玉取物語」
...目が少しむづ痒(がゆ)くなつた...
森鴎外 「魔睡」
...「もっとこたえるような事を云ってやればよかった」昌平はどこかしらむず痒(がゆ)いような顔をした...
山本周五郎 「七日七夜」
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