...隔靴掻痒の憂を抱かしむるものあるにせよ...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...此時自分の心はムヅ痒いやうな苦しいやうな快感を覺える...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...揩磨苛痒風助威(かようをかいましてかぜいをたすく)...
泉鏡花 「婦系図」
...痒(かゆ)いところへ手の届くようなお小夜の働きぶりを病母も心から嬉しいのだ...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...痒(かゆ)みの出て来た頭の髪をほどき...
徳田秋声 「縮図」
...此懲罰すら彼に於ては何の痛痒をも感ぜざりしに似たり彼は尚ほ選挙区に帰りて再選を要求したればなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...俺は何等の痛痒も感じない...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...変にむず痒いような心地で云いかけた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...小春の暖かさはちく/\と痛いやうに痒いやうに毛穴から汗がにじみ出すのである...
長塚節 「芋掘り」
...「おとつゝあは何(なん)ちんだんべな」おつぎは齒痒相(はがいさう)にいつて一聲(せい)更(さら)に「おとつゝあ」と力(ちから)を入(い)れて「盜(と)らねえつて云(ゆ)へよ...
長塚節 「土」
...妙なところが痒くならないように――」銭形平次は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平次は齒痒(はがゆ)くなるばかりです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「ちよいと拜借いたします」それを齒痒(はがゆ)さうに見てゐた金之助は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次の押しの弱さが齒痒(はがゆ)くてならなかつたのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...歯痒(はがゆ)くて...
槇本楠郎 「プールと犬」
...不図(ふと)太鼓の音が南京虫にくわれて痒(かゆ)い耳についた...
宮本百合子 「刻々」
...そのときは島田言葉の所謂「歯痒い」わけですが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...沓(くつ)の上から痒(かゆ)いところを掻く気もするが...
吉川英治 「江戸三国志」
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