...すると彼は喉(のど)もとに今までに知らない痒(かゆ)さを感じ...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...此時自分の心はムヅ痒いやうな苦しいやうな快感を覺える...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...隔靴掻痒(かっかそうよう)そのものである...
石川欣一 「比島投降記」
...どれほど多くの中国人がこの痛くも痒くもない髪のために苦しみを受け...
魯迅 井上紅梅訳 「頭髪の故事」
...何か胸がむず痒(がゆ)いような感じで膝(ひざ)のうえで雑誌をめくったりしていたが...
徳田秋声 「縮図」
...痒い処へ手が届いたような論告が...
戸坂潤 「社会時評」
...野(や)にあって腕のムズ痒(がゆ)さに堪えぬ者共(ものども)を幕府が召し集めて...
中里介山 「大菩薩峠」
...内儀のお余野は歯痒(はがゆ)がるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...臍(へそ)が痒(かゆ)いって図じゃないか」「臍も踵(かかと)も痒くなりますよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...妻は病床で歯痒がった...
原民喜 「忘れがたみ」
...加えられた痛痒(つうよう)が消え去ると同時に立ち止まるという風であった...
牧野信一 「ゼーロン」
...時にはその大きくあいた口の横わきをさも痒(かゆ)いようなふりをして指でこすりながらはあはあ息だけで笑いました...
宮沢賢治 「虔十公園林」
...痛くも痒(かゆ)くもないだろう」そしてまた口の中で...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...躯のそこらが痒(かゆ)くなって...
山本周五郎 「桑の木物語」
...ごしんぞの云うとおりだよ」「そんないやみは痛くも痒(かゆ)くもねえ」と云って房二郎はひょいと眼をあげた...
山本周五郎 「へちまの木」
...そちら様は痛くも痒(かゆ)くもないだろうけれど...
吉川英治 「江戸三国志」
...むず痒(かゆ)い...
吉川英治 「治郎吉格子」
...指の先までむず痒(がゆ)くなっていても...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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