...「夕月(ゆふづき)に鰺(あぢ)買ふ書記の細さかな」と自(みづか)ら病躯(びやうく)を嘲(あざけ)りしことあり...
芥川龍之介 「学校友だち」
...つい去年までは病躯を支えて二人の子供を介錯(かいしゃく)した...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...生活に労(つか)れた病躯(びょうく)を抱(かか)えて淋しく暮した...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...熱っぽい病躯を横たえて目をつぶった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...田中正造もまた一行の案内に遺漏なからしめるために病躯を押して同行した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...野口はまた病躯をいとわず案内するといってきかなかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...昨日直ちに病躯をおして天機奉伺に参内したことを報じ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...少しずつ病躯を運動に馴らす必要もあった...
鷹野つぎ 「窓」
...病躯(びょうく)をかかえて各地へ商取引をやっていた...
徳田秋声 「仮装人物」
...昌造が病躯をおして駕籠にゆられながら十里の山道を下田に越えねばならぬのも「餘儀なき」ことであつた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...病躯の衰弱のせいであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...沼津の海岸へ病躯を転地せんといい張った時も...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...病躯不順の天気に会ふや...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...彼(かれ)はどうしても瀕死(ひんし)の女房(にようばう)の傍(かたはら)に病躯(びやうく)を運(はこ)ぶことが出來(でき)なかつた...
長塚節 「土」
...現在私の病躯はそれを許してくれない...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...病躯は重い鎧にも耐えぬほど弱々しかったが...
吉川英治 「黒田如水」
...病躯「どっちを見ても火だ...
吉川英治 「平の将門」
...病躯(びょうく)を削(けず)ってゆく――清麿は...
吉川英治 「山浦清麿」
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