...「夕月(ゆふづき)に鰺(あぢ)買ふ書記の細さかな」と自(みづか)ら病躯(びやうく)を嘲(あざけ)りしことあり...
芥川龍之介 「学校友だち」
...醜き一切に対する反感を師匠の病躯(びやうく)の上に洩らしたのであらうか...
芥川龍之介 「枯野抄」
...しかしその脆弱な病躯(びょうく)中には鉄石の如き精神が存在していた...
大隈重信 「新島先生を憶う」
...熱っぽい病躯を横たえて目をつぶった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...田中正造もまた一行の案内に遺漏なからしめるために病躯を押して同行した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...少しずつ病躯を運動に馴らす必要もあった...
鷹野つぎ 「窓」
...そこから病躯も力づけられて行った...
鷹野つぎ 「窓」
...余らは居士の病躯(びょうく)で思いもよらぬ事だと思ったが...
高浜虚子 「子規居士と余」
...病躯の衰弱のせいであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...病躯をいたわって教養につとめ...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...毎日天気つゞきにて冬暖甚病躯に佳し...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...病躯不順の天気に会ふや...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...此から先何処に病躯をかくそうかと目当もなく貸家をさがしに出掛けた...
永井荷風 「花火」
...遂に病躯をかかえ...
原民喜 「翳」
...でも不思議にも永く病躯を保つことができて敵を消耗させ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...羊の乳をのんで病躯を力づけ...
吉川英治 「三国志」
...……してそちは」「病躯...
吉川英治 「新書太閤記」
...現実に我が子の病躯を朝夕に見て苦しんでいるのじゃ」弟の慈円が...
吉川英治 「親鸞」
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