...彼れの乘つて來た船は霧の大河の水底に沈んだ一枚の病葉に過ぎない...
有島武郎 「潮霧」
...常緑樹の病葉や落葉樹の紅葉は...
豊島与志雄 「秋の気魄」
...吹きはらふ河風(かはかぜ)に桜(さくら)の病葉(わくらば)がはら/\散る...
永井荷風 「すみだ川」
...吹きはらう河風(かわかぜ)に桜の病葉(わくらば)がはらはら散る...
永井荷風 「すみだ川」
...さながら人なき家の如く堅くも表口の障子を閉めてしまった土弓場の軒端(のきば)には折々時ならぬ病葉(わくらば)の一片(ひとひら)二片(ふたひら)と閃(ひらめ)き落ちるのが殊更に哀(あわれ)深く...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...病葉(わくらば)の落ちかかる晩秋の桜の枝に花が咲いたようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...病葉が欠歯のように疎(まば)らについているを見ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...梢(こずえ)を離れる病葉(わくらば)は風なき折々行人(こうじん)の肩にかかる...
夏目漱石 「野分」
...病葉(わくらば)と一緒にだらりと下へ垂れさがっているものもあった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...一重桜は戦栗(みぶるい)をして病葉(びょうよう)を震い落し...
二葉亭四迷 「浮雲」
...弱い葉や既に枯れかかつた病葉(わくらば)は一溜もなく八方に飛び散り...
室生犀星 「愛の詩集」
...病葉(わくらば)も腐った桃の果(み)も...
山本周五郎 「日本婦道記」
...寛ぎの出て来る小丘を降りてからもう病葉の散る橡の樹の下へ出ると「新アジヤ」という東野の演題がまた矢代に泛んで来た...
横光利一 「旅愁」
...病葉(わくらば)を掻き寄せて来て...
吉川英治 「私本太平記」
...馬頭観音堂の濡れ縁に病葉(わくらば)や塵も払わず腰かけて...
吉川英治 「新書太閤記」
...病葉(わくらば)が散るのか...
吉川英治 「新書太閤記」
...病葉(わくらば)をふるい落したり...
吉川英治 「親鸞」
...昨日の嵐にふるい落とされた病葉(わくらば)が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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