...同じ病的な酷薄さに色づけられているような心もちがする...
芥川龍之介 「江口渙氏の事」
...僕は機械的にしゃべっているうちにだんだん病的な破壊慾を感じ...
芥川竜之介 「歯車」
...小児病的なドイツ憎悪から離脱しているのである...
石川欣一 「比島投降記」
...病的なほど人の悪口(あっこう)をいう...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...」「じゃあなぜそんなに……絶望してるんです?」彼女は病的な表情をした...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...何となく病的な疲労の感じがにじんでいた...
豊島与志雄 「別れの辞」
...どこか病的な、血生ま臭い、化け物めいた姿である...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...例えば徳川時代の武士の病的な精神生活などから醸し出されたものではなかろうかという点になると...
中谷宇吉郎 「民族的記憶の名残」
...ベルリオーズの傑作「幻想交響曲」は青年音楽家の病的な幻想を描いたもので...
野村胡堂 「楽聖物語」
...少し病的な感じではあるにしても...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...病的な老孃の更年期に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...詩人の病的な錯覚であり...
萩原朔太郎 「猫町」
...つまり文学の病的な貴族性全体の味方につけようとするのは...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...宴会は病的な人物ばかりを以て催された物であつたから...
村山槐多 「悪魔の舌」
...こういう病的な好奇心の空虚な姿は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...わたしはこのような病的な時代に穏健中正であるために...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...今でこそ病的なまでに大変な市価を呼んでいる「李朝」ではあるが...
柳宗悦 「四十年の回想」
...心に上(のぼ)る物の凡(すべ)てが灰色を隔てつつ眺められるのは今夜に限らず近頃の病的な心の癖(くせ)である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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