...突然として彼はその前に一人の癩を病む者を見た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...若し途中で、或は蹇(あしなへ)、或は盲目(めくら)、或は癩を病む者、などに逢つたら、(その前に能く催眠術の奥義を究めて置いて、)其奴(そいつ)の頭に手が触つた丈で癒してやる...
石川啄木 「葬列」
...かつて門弟の胃を病む者あり...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...その後は眼を病む者がサッパリなくなったという事である...
寺田寅彦 「話の種」
...他人の疝気(せんき)を頭痛に病むの類たるがごとく...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...そんなことを気に病むのか!……君...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...萩(はぎ)に置く露の重きに病む身かな十三その日は東京から杉本さんが診察に来る手筈(てはず)になっていた...
夏目漱石 「思い出す事など」
...三日目の朝、われと隠士の眠(ねむり)覚めて、病む人の顔色の、今朝(けさ)如何(いかが)あらんと臥所(ふしど)を窺(うかが)えば――在(あ)らず...
夏目漱石 「薤露行」
...肌(はだへ)に寒しとてや山雀いといと切(せち)なる振(ふり)に鳴(な)くもなにかは我は山住み今(こ)の日笑顏(ゑがほ)の乳母(うば)を見て知んぬ平和の愛着目を病むも老いたるも人たるも鳥たるも(さはいへ)さびしからまし日は照るにとこしなへ籠を抱いて夜すがら鳥と愁へぬ...
萩原朔太郎 「秋の日」
...巴里に病む弟のことを考へては彼女は絶えず「日記」を書きつづけてゐた...
堀辰雄 「モオリス・ド・ゲランと姉ユウジェニイ」
...病む人々が生命のためにたたかう事業をたすけて...
宮本百合子 「生きるための協力者」
...苦しいその心のありさまを病む良人のベッドのよこでの何ともいえないとんぼがえりで表現した...
宮本百合子 「映画女優の知性」
...五百は平生(へいぜい)病むことが少(すくな)かった...
森鴎外 「渋江抽斎」
...かえりて祟(たたり)を受け病むことありといえり...
柳田国男 「遠野物語」
...今では治る望みもない労咳を病む身となっている――...
山本周五郎 「お美津簪」
...すぐにまた病むというぐあいで...
山本周五郎 「契りきぬ」
...病む者には薬を下され...
吉川英治 「三国志」
...むしろ病めば病むほど...
吉川英治 「三国志」
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