...俥の上にいても振動が足腰の疼きにひびいて堪え難かった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その座に坐った人たちの閉された心の底にどのような疼きが鬱積しつつあるかということを果して誰が知り得るであろうか...
峠三吉 「原爆詩集」
...斯くばかり疼きことなし...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...胸の奥に軽く生暖かい疼きを感じながら...
原民喜 「秋日記」
...……惨劇のなかに置かれた人間の表情とリズムがずき/\と僕のなかで疼きだす...
原民喜 「悪夢」
...ふと僕は鏡の奥の奥のその奥にある空間に迷ひ込んでゆくやうな疼きをおぼえた...
原民喜 「鎮魂歌」
...世は去り世は来(きた)る 地は永久(とこしへ)に長存(たもつ)なり次第に彼は少年の頃の憧憬に胸を締めつけられるやうな疼きをおぼえた...
原民喜 「火の踵」
...(この心の疼き、この幻想のくるめき)僕は眼も眩むばかりの美しい世界に視入らうとした...
原民喜 「火の唇」
...どこかEは戦争の疵と疼きがのこつてゐるやうな青年だつたが...
原民喜 「二つの死」
...八月六日といふ日がめぐり来ることは新たな戦慄とともにいつも烈しい疼きを呼ぶ...
原民喜 「平和への意志」
...僕の喪失した記憶の疼きといったようなものが...
原民喜 「夢と人生」
......
波立一 「動員令」
...腕がづきづきと疼き...
北條民雄 「重病室日誌」
...何とも云へない快く物倦く哀しい全身全霊の痺れと疼きとは!もうそのひともなく...
正岡容 「吉原百人斬」
...したがって非現実的な解釈のしこりの疼きである...
宮本百合子 「現代文学の広場」
...赤蜂もこの大赤蜂に螫されたらたいへんな疼きをあたへる...
室生犀星 「めたん子傳」
...悲しいほどの疼きで思い出された...
矢田津世子 「鴻ノ巣女房」
...仁王様の腕の古疵を疼き痛ませ...
夢野久作 「塵」
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