...生活に疲れたような中年男を...
梅崎春生 「狂い凧」
...ヒラメの家は、大久保の医専の近くにあり、書画骨董商、青竜園、だなどと看板の文字だけは相当に気張っていても、一棟二戸の、その一戸で、店の間口も狭く、店内はホコリだらけで、いい加減なガラクタばかり並べ、(もっとも、ヒラメはその店のガラクタにたよって商売しているわけではなく、こっちの所謂旦那の秘蔵のものを、あっちの所謂旦那にその所有権をゆずる場合などに活躍して、お金をもうけているらしいのです)店に坐っている事は殆ど無く、たいてい朝から、むずかしそうな顔をしてそそくさと出かけ、留守は十七、八の小僧ひとり、これが自分の見張り番というわけで、ひまさえあれば近所の子供たちと外でキャッチボールなどしていても、二階の居候をまるで馬鹿か気違いくらいに思っているらしく、大人(おとな)の説教くさい事まで自分に言い聞かせ、自分は、ひとと言い争いの出来ない質(たち)なので、疲れたような、また、感心したような顔をしてそれに耳を傾け、服従しているのでした...
太宰治 「人間失格」
...するうちに疲れたような頭脳(あたま)が懈(だる)くなって来た...
徳田秋声 「足迹」
...」お庄は倦(う)み疲れたような心持で...
徳田秋声 「足迹」
...疲れたような目が...
徳田秋声 「爛」
...ザフレービニナ夫人の懶げな疲れたような顏つきも...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...どこか疲れたようなようすをしているが...
久生十蘭 「キャラコさん」
...いつでもすこし疲れたようなようすをしている...
久生十蘭 「キャラコさん」
...男は疲れたようなこえで...
室生犀星 「香爐を盗む」
...顔には疲れたような優しみが拡(ひろ)がった...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...ひどく疲れたような具合だわ...
森本薫 「華々しき一族」
...「八人かね」背の低い脚の太い娘は疲れたようなのろのろした口調でいい...
山川方夫 「その一年」
...この青根へ来てからの、疲れたような、力のぬけた表情はきれいに消え、以前のままの、濶達(かったつ)さと明るさがあらわれてきた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...疲れたような気持で...
山本周五郎 「山彦乙女」
...疲れたような顔をして...
山本周五郎 「陽気な客」
...しもぶくれのおっとりした顔だちで、上背のあるいい躰格だが、眼つきや口許にしまったところがなく、疲れたような、寝不足なような、とらえどころのない、ぼうとした表情をしていた...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...疲れたような眼を挙げたが...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...疲れたような空気がシーンと沈んでいる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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