...顎の疣に生えた赤毛は三四寸のびて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...……其の疣(いぼ)一つづゝ堂門(どうもん)の釘(くぎ)かくしの如しと言ふので...
泉鏡花 「雨ばけ」
...疣々(いぼいぼ)打った鉄棒(かなぼう)をさし荷(にな)いに...
泉鏡花 「怨霊借用」
...全く省いても少しも差支ない贅疣(ぜいゆう)である...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...□私は社会の疣だ...
種田山頭火 「其中日記」
...それにはその時分子供心にも不思議なものがあると思つて見てゐた耳のところに出來てゐる小さな疣もそのまゝそこにある……...
田山花袋 「道綱の母」
...さわりかたがよければ、疣は出来ません...
豊島与志雄 「波多野邸」
...眞黒なさうして疣のある太いところは鬼が持つ金棒そつくりである...
長塚節 「撃劍興行」
...或いは疣(イボ)のたぐいに過ぎない...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...白粉(おしろい)っ気なしの疣尻巻(いぼじりまき)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これは円くて麁(あら)い疣(いぼ)を密生し...
南方熊楠 「十二支考」
...吸付いてゐた疣だらけの手は...
宮原晃一郎 「動く海底」
...疣(いぼ)なんぞは直(じ)きに消えてしまってその癖心(しん)に堅い処が残る事もあります...
村井弦斎 「食道楽」
...黒い立派な洋服を着て眼鏡をかけた大きな疣(いぼ)蛙が...
夢野久作 「オシャベリ姫」
...室中にいた疣蛙も赤蛙も青蛙もみんな一時に床の上にひれ伏してしまいました...
夢野久作 「オシャベリ姫」
...メリケン刈(がり)の頭へ蟇(がま)の疣(いぼ)みたいに光る鳥打帽を乗っけている...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...近ごろ新しくできた一個のニキビを疣(いぼ)のように気にしながら...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...英国人らしく鼻に疣(いぼ)をつくって...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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