...「王子(プリンス)じゃないか! 立派な王子だ! ほんとうに君は知らなかったのか」と疑り深くもう一度私の顔を覗(のぞ)き込んだが...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...世間のすべての人が彼に対して情(つれ)なくも疑りぶかいのだが...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「乞食」
...人の気風の温和でそして疑り深いN――市では...
徳田秋声 「あらくれ」
...彼女は疑り深い眼付であたりを見回した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかしどうもあなただけは疑りたくない...
夏目漱石 「こころ」
...御奉行様はつまり御自身の御智恵をお疑りはじめになったのでございます...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...御自身のお裁きをお疑りになり始めたのでございます...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...彼女はもう少し疑り深くても良かったくらいだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...思いのほか疑り深いのね...
久生十蘭 「あなたも私も」
...兵隊たちは疑り深くなって一人も下艙へ降りず...
久生十蘭 「ノア」
...疑り深いリッチフォードは不審を抱いたまま...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...「壁はまっ白にしなきゃならんですからね――」冷然と疑り深い眼を角立てていた校長は...
本庄陸男 「白い壁」
...」決して疑り深くないFは...
牧野信一 「或る日の運動」
...そしてギヨロリと上眼づかひに他人(ひと)の顔を睨めて、疑り深かつた...
牧野信一 「淡雪」
...疑り深い彼等はそれを反対党へ送る秘密通信か何かと間違へて……」「選挙の時だつたが...
牧野信一 「南風譜」
...それでほとんど大抵の時は一緒にいるほど、親しくなったが、荻原にはどことなく、疑り深い、かたいじなところがある...
水野葉舟 「北国の人」
...疑りぶかく見つめていらっしゃる...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...いつものことなら私を疑り出したように軽部とて一応は屋敷を疑わねばならぬ筈だのにそれが事もあろうか軽部は屋敷に槽(バット)の揺り方を説明して...
横光利一 「機械」
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