...それを看(み)て欧洲楽を聴くほどに疎遠な感じはしない...
津田左右吉 「芸術と社会」
...自分と自分の宅のラジオとの交渉はかなり疎遠なものであった...
寺田寅彦 「ラジオ雑感」
...如何に文壇に疎遠な人でも...
戸坂潤 「思想としての文学」
...両家の交誼はごく疎遠なものだった...
豊島与志雄 「叔父」
...然し二人はそんな疎遠不疎遠などを頓着するような人ではなかった...
豊島与志雄 「理想の女」
...どことも疎遠な私は知らないけれども家に子供がないので母はよその孫たちを可愛がったのであろう...
中勘助 「母の死」
...中には比較的遠くにいて平生(へいぜい)疎遠なものもあった...
夏目漱石 「こころ」
...二人が始めて顔を合わした時の挨拶(あいさつ)の様子から見ても彼らはけっして疎遠な間柄ではなかった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...かうした心を見抜いての疎遠なのではあるまいかとも考へてみる...
林芙美子 「浮雲」
...平生(へいぜい)疎遠なりし親族さえ...
福田英子 「妾の半生涯」
...近来俳句に疎遠なる秋竹が何故に俄(にわか)に俳句編纂を思ひ立ちたるか...
正岡子規 「墨汁一滴」
...自分をば道に疎遠な人だと諦念(あきら)め...
森鴎外 「寒山拾得」
...しかしどれ程疎遠な物にもたまたま行摩(ゆきずり)の袖(そで)が触れるように...
森鴎外 「サフラン」
...そうして一般の民衆と美との間柄を疎遠なものにしました...
柳宗悦 「民藝の性質」
...さりとて飛び出して竈を別にするほども疎遠ならず...
柳田国男 「雪国の春」
...日本にいるときの一年の疎遠な時のもつ忘却力が...
横光利一 「旅愁」
...特に結婚の申し込みをしなければならぬほど疎遠な間柄でもないと思い...
横光利一 「旅愁」
...面目の至りにござりまする」「疎遠なるこの家康へ...
吉川英治 「新書太閤記」
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