...この入口から、我が當面の地獄、――天井の極く低い、十疊敷位の、汚點(しみ)だらけな壁も、古風な小形の窓も、年代の故(せゐ)で歪(ゆが)んだ皮椅子も皆一種人生の倦怠を表はして居る職員室に這入ると、向つて凹字形に都合四脚の卓子(テーブル)が置かれてある...
石川啄木 「雲は天才である」
...玄關の障子を開けると三疊、横に六疊間、奧が此八疊間、其奧にも一つ六疊間があつて主人夫婦の寢室になつてゐる...
石川啄木 「天鵞絨」
...づか/\とあがつて行つて三疊と六疊との間の障子をすツと明けた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...」祖母は四疊の竹格子の下に坐つて...
鈴木三重吉 「胡瓜の種」
...隈に蒲團が疊んだ儘である...
長塚節 「開業醫」
...靴(くつ)がじめ/\して我慢(がまん)にも穿(は)けやしない」「六疊(でふ)だつて困(こま)るわ...
夏目漱石 「門」
...疊紙の中に入つて居たのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次は靜かに疊み直して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...中から大事さうに疊んだ紙片を拔取り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...奧の六疊に寢かしてありました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...奧と言つても店續きの薄暗い六疊に案内された平次は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何だつて疊針を打ち込まなきやならないんだ――それもお町の時と違つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二た間續きの奧の六疊に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...梯子(はしご)の下の六疊に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...六疊一パイにはめ込みになつた豪勢なもの...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あれを疊(たゝ)んで立(た)てかけて置(お)けば好(よ)いにと一々鈍(もど)かしう齒(は)がゆくは思(おも)へども...
樋口一葉 「たけくらべ」
...彼は疊を叩いて非常に憤激して終ひには涙を滾した...
牧野信一 「文學的自叙傳」
...この六疊の間で表は閉めつ切りで産まさう...
室生犀星 「神のない子」
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