...でんぼう肌の畸人(きじん)だったのです...
芥川龍之介 「捨児」
...蓋し醫は仁術なりの古風を學び謝禮金のみに止めて藥料の如きは貪らざるの主意なり、附近に穢多村あり、多くの醫師之に往診するを恥づ、誠之助一人平然として赴きたりと云ふ、畸人なるべし...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...恐らく今日の切迫した時代では到底思い泛(うか)べる事の出来ない畸人(きじん)伝中の最も興味ある一節であろう...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...そして僕が平生求めようとして求め得なかったものを無造作に持っているという正に驚嘆すべき畸人だった...
海野十三 「深夜の市長」
...いや畸人といったのでは足りない...
海野十三 「深夜の市長」
...彼が悪人又は畸人であつたならば...
種田山頭火 「行乞記」
...山人は誠に畸人であって...
永井荷風 「西瓜」
...いかなる世にも畸人の出ない事はない...
永井荷風 「来訪者」
...曲学阿世の風が盛であつた宝暦の時代にも馬文耕といひ志道軒といふが如き畸人が現れた...
永井荷風 「来訪者」
...畸人伝かなにかにあったっけ...
中里介山 「大菩薩峠」
...是等は皆その当時の村の畸人(きじん)の一部であるけれども...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...多々羅三平(たたらさんぺい)という畸人(きじん)がいると吹聴(ふいちょう)した事がある...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...『畸人伝』にもあるが清元の『保名』にもその名が残っている小西来山に...
長谷川伸 「母」
...わが身に引きくらべてもこの畸人(きじん)の晩年だけは...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...講談では煙(けむ)ジウと仇名された畸人の老前座松林円盛が伯円種として此を読み...
正岡容 「山の手歳事記」
...凡骨の畸人と奇行ぶりは...
吉川英治 「折々の記」
...むかし禰衡(ねいこう)という畸人(きじん)がいましたが...
吉川英治 「三国志」
...「江州に一畸人(きじん)がいます...
吉川英治 「新・水滸伝」
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